遺品整理業者に依頼しようと思ったとき、「ちゃんと作業をしてくれるのだろうか?」「大切な遺品が盗まれたり壊されたりしないだろうか?」といった不安を抱える方も多いのではないでしょうか。実際、遺品整理の悪徳業者によるトラブルは起きており、トラブルの事例がニュースに取り上げられています。
そこで、どんな事業者を選んだらいいのか事前の知識が、遺品整理業者に依頼をする上で安心材料となります。この記事では、遺品整理における代表的なトラブル事例から、その予防策や対処法までを詳しく解説します!
遺品整理業者に依頼する際の基礎知識
遺品整理とは、故人が残した物品を整理・処分し、遺族が新たな一歩を踏み出すための作業です。故人宅が遠方にあって頻繁に訪れることができなかったり、家を丸ごと一軒片づけるとなると大きな家電や家財を移動させなくてはならず、身体的にも負担になります。
そこで、遺品整理業者に依頼することで、心理的負担を軽減し、効率的かつ適切な形で整理作業を進めることができるます。現在は、遺品を整理する家族が単身である場合もあるので、遺族だけで遺品を整理するのが困難なケースが増えているのが現状です。
遺品整理業者の役割とサービス内容
遺品整理業者の多くは、単に故人の物品の整理だけでなく、特殊な清掃や家財のリサイクルなど、さまざまなサービスを提供しています。
・家財の仕分け・整理
・貴重品の発見・返却
・不用品の適切な処分
・リサイクル可能な家電・家具の買取
遺品整理業者によっては、廃棄物処理法や家電リサイクル法に基づき、大型の家財や家電などの処分が行われます。また、上記の外にもオプションとして、特殊清掃や消臭作業、形見分けの梱包配送など、依頼側のニーズに応じた柔軟な対応をしてくれる業者もあります。
遺品整理業者との間で起きやすいトラブル
遺品整理業者に依頼することが決まったら、気をつけなければならないのは、高額請求や盗難など、業者とのトラブルです。ここでは、トラブルの原因やこれまでにどんなトラブルが報告されているのか、などトラブル事例を紹介します。
高額請求や不当な追加請求
遺品整理業者による高額請求や不当な追加請求は、契約内容や見積りの不備を悪用した典型的なトラブルのひとつです。「見積もり時に説明を受けていない料金を請求された」「解約を申し出たら高額なキャンセル料を請求された」という相談が消費生活センターなどに寄せられています。
高額請求をされたという具体例として、ある遺族が、事前の見積りで10万円と説明されていたものが、作業終了後に20万円を請求されました。業者は「廃棄物の処分費が別途必要」と説明しましたが、依頼側が契約書を確認したところ、処分費用が含まれる記載があった例などが報告されています。
契約前に見積り内容や契約書を小さな字で書かれているところまで、細かく確認し、後から請求される費用について明記されているかを確認することが、こうしたトラブルを回避する鍵となります。
遺品の盗難や紛失
遺品整理の過程で貴重品が盗難・紛失されるというトラブルもよくあります。遺品整理の現場には多くの物品があるため、貴重品や現金などが紛失しやすくなります。物が散乱していると、貴重品があっても気づきにくいため、悪徳業者は、隙を見て物を盗みます。
国民生活センターに寄せられる苦情の中には、業者が貴重品を「処分した」と主張し、後に別の場所でその品物が売られているケースもあるようです。貴重品や現金、重要な書類やデータなどは、業者に任せっきりにするのではなく、事前に遺族自身で回収・管理をするようにしましょう。
不当な買取価格での査定
遺品整理業者の中には、リサイクル品などを買い取るサービスを提供する業者もあります。家電以外にも、遺品の中には価値のあるものが含まれていることもあり、それを業者が意図的に価値を低く見積るケースもあるようです。悪質な業者は、遺品を安価で引き取り、その後高額で転売する手口を用いることがあります
消費者庁の報告では、「明らかに市場価格より低い査定額が提示された」という相談が増えています。意図的に査定額を低くする悪徳業者もありますが、業者側が適切な資格や知識を持っていない場合、査定に不備が生じることもあります。
遺品の中に、新品のものや、市場価格より価値があるものが事前に分かっている場合は、専門の鑑定士や複数の業者に見積りを依頼することで不当な買取価格での取引のリスクが下がります。
不法投棄や不適切な処分
遺品整理業者の中には、引き取った大型の家財や家電を適正な処分を行わずに、不法投棄を行う業者もあります。もし、それが発覚すると、依頼者にも責任が及ぶ可能性があるため、注意が必要です。
廃棄物の処理には、費用がかかるため、一部の悪質な業者はコスト削減のために、不法投棄をしてしまうことがあります。そもそも、一般廃棄物の処分には許可が必要です。許可を持たない業者が処分を請け負うこと自体が法律違反となります。
信頼できる業者の場合、一般廃棄物収集運搬業の許可があることを開示します。もし、業者側からの開示がない場合、依頼側から尋ねるなどして事前に確認するようにしましょう。
強引な契約や高額なキャンセル料の請求
消費生活センターには「業務のキャンセルをしたら高額な違約金を請求された」という相談が実際に寄せられています。契約書が不明瞭で、キャンセル料がどのように算出されるのか明示されていなかったり、契約時、違約金について説明がされていない場合は、業者側にとって有利になってしまいます。
契約書に記載された内容は、しっかり確認し、解約時の違約金についても確認するようにしましょう。もし、話を進めていく中で、納得できない点が出てきたら、そのままにせず契約前に質問し、明確にしておくことが大切です。
作業が雑で遺品や住居が損傷
遺品整理行者の中には、遺品を雑に扱ったり、不適切な作業を行う業者もいます。そういった業者は、遺品だけでなく住居を損傷させる場合もあり、依頼者にとって大きな損害となることがあります。また、住居を損傷させてしまった場合、丁寧な業者だと、保証や補償を提供しますが、悪徳業者の場合、そのようなアフターサービスはしません。
そのような業者に当たらないためにも、口コミを参考にしたり、信頼できる人に紹介してもらうなどすることで、こうしたトラブルを回避できます。
トラブルを防ぐための予防策
遺品整理業者とのトラブルを防ぐには、いくつかの予防策があります。
複数社から見積りを取る
遺品整理の相場は、地域や業者によって大きく異なります。不正な価格設定の業者に依頼してしまわないようにするためには、複数社から見積もりを取ることがポイントです。料金やサービス内容を比較でき、不当な高額請求や悪質業者を避けることができます。
また、複数の業者を比較することで、契約内容や対応の丁寧さも分かりやすくなります。業者の比較をするときには、一括見積もりサービスを利用すると便利です。
見積りの内訳や契約内容を事前に確認する
業者の選定が終わったら、見積りの内訳や契約内容を確認しましょう。「作業費」「運搬費」「廃棄処分費」など、費用の内訳が明記されているか確認することが重要です。
見積りが明確でない場合、不当請求の温床になることが多いとされています。契約が交わされてしまうと、法的な効力を持ってしまうため、あとから業者に責任を問うことが難しくなります。
契約前に見積りの内訳や契約書を細かく確認することが、追加請求やトラブルを避けるための最善策です。
貴重品や重要書類は事前に自分で回収する
貴重品や重要書類は事前に自分で回収し、安全な場所で保管することで、盗難や紛失などのトラブルを防ぎましょう。
一度でも、遺品整理をしたことがある方なら思い起こされるかと思いますが、遺品整理の現場は、大量の物品を扱います。
多くの物に囲まれた中で作業を行うため、どんなに気をつけていても、業者が誤って貴重品を廃棄したり、紛失したりするケースもゼロではありません。重要書類が流出した場合、第三者に悪用される危険性があります。日本消費者協会のデータでも、個人情報に関するトラブルが増加しているとの報告もあります。
業者に貴重品の整理を任せて、貴重品が紛失してしまうと、場合によっては、警察への被害届を提出するという手間も発生してしまいます。遺品整理を業者に頼むときでも、貴重品や重要書類は、遺族自身で責任を持って回収・保管することが、トラブル回避の基本です。
一般廃棄物収集運搬業の許可を確認する
遺品整理業者によっては、大型家電や家財などの運搬・廃棄をサービスのひとつとしているところもあります。これらを処分するには、一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。
もし、遺品整理業者が無許可で廃棄物を不法投棄していたことが発覚し処分を受けるようなことがある場合、依頼した側も行政などから厳重注意を受ける可能性もあります。
大型家電の運搬サービスを利用する場合、依頼する業者が一般廃棄物収集運搬業の許可をもっているのか事前に確認することで、不法投棄などの法律トラブルを回避できます。細かなことですが、しっかりと確認することで、ご自身が余計なトラブルに巻き込まれる危険性が低くなります。
優良事業所や資格保持者を選ぶ
民間の資格にはなりますが、「遺品整理士」という資格があります。これは、遺品整理に関する知識や技術を習得した証です。
遺品整理の依頼をしようと思ったときに、どの事業所に依頼をしたらいいのか迷う場合は、この資格を保有している方が所属している事業所を選ぶことで、質の高いサービスを受けることができるでしょう。
また、全国遺品整理士認定協会が認定する優良事業所は、法令遵守や適正な料金設定が行われています。そういった面からも資格保持者や優良事業所を選ぶことで、安心感と信頼性の高いサービスを受けることができます。
【まとめ】遺品整理のトラブルを防ぐために!
今回は、遺品整理業者とのトラブル事例や予防策、業者選びのポイントなどについて詳しく解説しました。遺品整理は大切な作業である一方、業者選びを誤ると高額請求や盗難といったトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
見積りを複数取ったり、評判のよい業者を選ぶことで、安心して遺品整理を進めることができるでしょう。また、万が一、トラブルに巻き込まれたときは専門機関へ早めに相談し、解決策を講じるようにしましょう。