遺品整理を行うときにどうしてもかかってくる負担は、費用です。特に、業者に遺品整理を依頼した場合、業者によって料金設定が異なります。遺品整理を業者に依頼すると、いくらぐらいが相場なのか?費用を安く抑えるとしたら、どのような方法があるのか?この点が一番気になるポイントではないでしょうか。
- 遺品整理の全国平均費用相場
- 遺品整理の費用の決まり方
- 遺品整理を依頼する業者選び
- 遺品整理を業者に依頼するメリットとデメリット
遺品整理するときの費用相場を知っておくと、事前にしておくべきことや予算設定の計画もスムーズにいくものです。業者への依頼は余裕を持ったスケジュールが、トラブル回避にもつながるので、ぜひ参考になさってみてください。
遺品整理の平均費用相場
遺品整理をするときにかかる費用相場は、基本的に部屋の広さや作業時間などによって異なります。ここでは、遺品整理をするときの平均費用相場を見ていきましょう。
部屋の広さ(間取り) | 費用相場 |
---|---|
1R・1K | 30,000円~ |
1DK | 60,000円~ |
1LDK | 70,000円~ |
2DK | 90,000円~ |
2LDK | 11,000円~ |
3DK | 15,000円~ |
3LDK | 17,000円~ |
4LDK以上 | 19,000円~ |
上の表の費用相場は作業時間や作業人数などによっても相場は異なり、同じ間取りでもその部屋(家)の状態によっても変わってきますので、目安としてお考えください。
それでは、具体的に遺品整理で発生する費用の内訳は、どのようにして決まるのでしょうか?次の章で、その費用を決める主なものを挙げていきます。
遺品整理の費用はこうして決まる
遺品整理の費用相場は、地域や業者によって料金設定には細かな違いがあります。とはいえ、どの業者でも設定項目として挙げられる主な項目は、以下をご覧ください。
- 部屋の広さ(間取り)
- 作業時間
- 荷物の量
- 作業人数(人件費)
もちろん上記以外でも、業者によっては細かく項目が分類されています。ここで挙げる項目は、一般的にほとんどの業者が対象としている項目です。それぞれの項目が、どのような点で基準となっているのかを見ていきましょう。
部屋の広さ(間取り)
部屋の広さ(間取り)は遺品整理をする上で、どの業者でも設定しているポイントです。ではなぜ、部屋の広さが基準になってくるのでしょうか。
一番わかりやすい点としては
- 部屋が広い=部屋数が多いなどの場合:故人が生前使っていた物量も当然多くなる。
- 部屋が狭い=部屋数が少ない場合:故人の持ち物も少ない傾向にある。
荷物が多ければ作業人数や時間も長く、荷物が少なければ人数も時間も少なく済むので、当然費用も異なるのです。これは、部屋の広さも比例するでしょう。
部屋の広さによって荷物の量も差が出るので、費用もそれに比例して高くなったり安くなったりするのです。
作業時間
部屋の広さで作業時間もそれなりに違ってきます。1Rや1Kの場合、作業時間は長くて3時間程度で4LDK以上になってくると、最低でも4時間以上は見込んでおいたほうがいいです。
タンスなど大きな家具がある場合、タンス1つに2~3人の手が必要なこともあり、量が多い上に大きさがあると作業時間も悠に6時間にも及ぶ可能性もあるでしょう。そのため、作業時間は費用を決める上でも外せない項目になってくるのです。
荷物の量
遺品整理をする上で、荷物の量は大いに関係してきます。一般的には、部屋が広ければ荷物の量も当然多くなります。4LDKでいえば、量もさることながら大きさも狭い部屋に比べて大きなものが多い傾向です。
部屋が広くても荷物の量が少ない場合は、作業時間や人員も少なく済みますので、部屋の広さや時間だけで料金は決められません。そのため、荷物の量も料金を決める上で重要なポイントになってきます。
作業人数(人件費)
作業人数(人件費)は、これまでの部屋の広さ・作業時間・荷物の量と比例してもっとも重要な料金設定を左右する要ともいえるのではないでしょうか。
一般的な例でいうと、部屋が広く荷物の量も多く大きなものが多い場合、作業人数も4名以上は必要になってきます。そうなると当然、作業時間も長くなり10時間超えもあり得ない時間ではないはずです。大豪邸ともなると、朝早くから始めて終わるのが深夜に及ぶことも珍しくないと思います。
1日がかりだと作業人数も10人以上は確保しないと作業が進みません。このように、部屋の広さ・作業時間・荷物の量・作業人数は、全部を考慮して初めて料金設定が可能になるのです。ほかにも細かい項目はありますが、肝心要の項目は以上4つになります。
遺品整理にかかる費用を安く抑えるコツ
いろいろなものが料金に含まれるので、ある程度費用がかかってしまうことは致し方ありません。しかし、遺品整理を業者に依頼する前に事前にできることをしておくと、遺品整理にかかる費用は安く抑えられるものです。
ここからは、遺品整理を業者に依頼する前にしておくべきコツを紹介します。そのコツは、大きく分けて以下の3つです。
- 事前に整理できるものはしておく
- リサイクルできそうなものを買い取りに出す
- 複数社から相見積もりを取る
自分でできることがあれば、やらないよりはやっておいた方が、その後にかかる費用は各段に違ってきます。それぞれの項目を詳しく解説していきましょう。
事前に整理できるものはしておく
これは絶対やっておくべきといえるものの1つは、この「事前に整理できるものはしておく」です。
例えば…
- 捨ててもいいと判断できるゴミは自分で捨てる
- 生前故人が着ていた服や持ち物は、親しかった人に貰ってもらう
上記のようなことは、遺族でないとわからない物も多くあるでしょう。すべて業者任せにしてしまうと、いるかいらないかの判別は遺族に聞かないと分からないので、聞きながらだと時間がかかります。
そうした余計な時間ロスを作らないためにも、明らかにゴミといえるものはもちろん、事前に捨てていいと判断できる物はどんどん捨ててしまいましょう。
リサイクルできそうなものを買取に出す
事前に整理できるものをしておく中には、捨てるには勿体ない物や貴金属などもあると思います。衣服や持ち物で売却できそうな物は買い取り業者に持って行きましょう。場所が遠い場合は回収にも来てもらえますので、この場合も事前に売れそうな物を予め分けて置いておきます。
そうすれば回収業者が来たときにすぐ渡せるので、時短につながり双方にとっても有難いですよね。買い取りに出すには、いろいろな方法があります。
- 専門買取店:専門分野なので適正価格を提示してもらえる。出張買取サービスがある。
- フリマアプリ:自分で価格設定ができる上、出品まですべてPCやスマホだけで完結。
- リサイクルショップ:売りたい物が多い場合でもまとめて買取ってもらいやすい。出張買取あり。
貴金属や着物、故人が好きで集めていたコレクターアイテム、高級家具などの場合、遺品整理業者が作業にかかった料金から買取分を割引してくれることもあります。思わぬ高値が付いたりと費用の節約に大いに貢献することにもなりますので、ぜひ活用してみましょう。
複数社から相見積もりを取る
遺品整理を業者に依頼する場合、1社だけでは費用相場はわかりにくいもの。安心して遺品整理をお任せするためにも、最低でも3社以上で比較検討することが望ましいです。その際、費用だけを比較するのではなく、作業の内容や追加料金の有無などを確認しておきましょう。
そうすることでもっとも希望に近い業者、コストパフォーマンスがいい業者選びができます。より良い業者選びをするなら、できれば実際にその業者を利用した人の口コミや評価を参考にすると、もっと安心できる材料になるでしょう。
遺品整理で失敗しないための業者選び
遺品整理を業者に依頼しようとしたとき、安心できる業者を見極めるためにもっとも有効的な方法をご紹介します。このポイントを抑えておくと、安心かつ敏速に対応できるものです。
そのもっとも有効的な方法は、以下の3つになります。
- 「遺品整理士」及び「一般廃棄物収集運搬許可証」の資格を持っているか
- 見積書は明確な料金設定を提示してくれるか
- 遺品整理の実績が豊富であるか
3つのポイントを詳しく解説していきます。
「遺品整理士」及び「一般廃棄物収集運搬許可証」の資格を持っているか
遺品整理業者の中には、その業者が保有しているものの1つに「遺品整理士」という資格があります。この資格は、「遺品整理士認定協会」という民間資格です。
この資格を保有している業者なら、より希望に沿ったサービスを受けられます。
この資格を持っていないと遺品整理はできないというわけではありません。資格を持っていなくても優良業者は存在しますが、遺品整理士という資格を持っているということがより良い業者として依頼する1つの判断基準になるということです。
また遺品整理をする過程で、買い取り業者に依頼することもあると思います。その際には、「一般廃棄物収集運搬許可証」という資格が必要です。
これは一般家庭から出る家具や家電といった不要物を回収する際に、必ず必要となる資格になります。これとよく似た許可の中に「産業廃棄物収集運搬許可証」という資格もあり、これは飲食店や企業から出る不要物を回収する業者が得なければならない資格です。
買い取り業者の中には、この産業廃棄物収集運搬許可証だけで一般家庭の不要物を回収する業者もいますが、これは違反業者です。どのような資格を保有しているかの確認は、必ずしておきましょう。
見積書は明確な料金設定を提示してくれるか
どの業種でも作業を依頼する前に、無料で見積もりを作成してくれます。しかし、見積書の内容が明確であるかの見極めが重要です。
料金設定の確認は元よりサービス内容として、どのような人件費や手数料を含んでいるかが細かく提示されている業者を選ぶようにしましょう。
人件費だけでも、作業員の数と作業にかかる時間で人件費が決まってきます。その作業の内容も一般的には「片付け」「梱包」「撤去」などの基本的な作業内容です。
業者の中には、「遺品整理作業一式 〇〇万円」と端的に記している見積もりもあります。その場合は、作業の細かい内訳を訪ねましょう。正当な遺品整理業者なら、細かい内訳を提示してくれます。そういった対応の仕方でも、任せられる業者であるかの判断基準にもなりえるのです。
遺品整理の実績が豊富
実績が物を云うこともあります。実績が豊富であればあるほど、当然経験値が高いということにほかならないので、それだけでも信頼性に一役買っているといえるでしょう。
経験値が高いということは、「こういうときはこうすればいい」というような作業で起こり得るさまざまな直面に、敏速に対応できるということにもつながってきます。
逆に、「こういうときはどうすればいいか」という直面に対しても、これまでの経験値であらゆる方法を導き出せるという力を発揮できるでしょう。
とかく、遺品整理の実績が豊富であることは、依頼する側にとっても安心できる頼もしい業者となります。
遺品整理を依頼することのメリット・デメリット
遺品整理をする場合、処分していいものと保管・保有しておいた方がいいものなど、遺族でも判断が難しい物も多く出てきます。そうした場合の遺品整理では、やはり業者に依頼するメリットの方が圧倒的に多いものです。処分に困った場合、遺品整理業者と相談することで、遺族にとって納得いく処分方法が見付かることもあります。
ここでは、遺品整理業者に依頼した場合のメリットとデメリットをご紹介しましょう。よく比較して依頼をするかどうかの1つの判断にしていただければと思います。
遺品整理依頼のメリット
遺品整理を依頼した場合のメリットは、大きく分けて3つあります。
- 時間がかからない
- 料金が戻ってくる
- オプション選びができる
時間がかからない
少しでも費用を抑えようとして遺品整理を自分でやろうとすると、どうしてもそれなりの時間がかかります。体力や精神力の消耗にもつながるでしょう。こうした場合は、業者に依頼した方が、敏速に対応してくれ負担が軽減できるのです。
料金が戻ってくる
売却できそうなものは、買い取りに出したり回収に来てもらったりすれば品物によっては高値が付くこともあります。業者によっては作業にかかった分を割引してもらえることもあるので、依頼した業者に確認しておきましょう。
オプション選びができる
オプションサービスとして、例えば遺品整理後のハウスクリーニングもできるのです。オプションサービスの中には、害虫駆や仏壇・遺品の供養、遺品整理後の清掃もしてもらえることもあります。
遺品整理依頼のデメリット
遺品整理は圧倒的に業者に依頼するメリットの方が多いので、デメリットはほとんどないといえます。しかし、強いて言えば、以下のような点です。
- 費用がかかる
- 安心して依頼できる業者選びが大変
遺品整理を業者に頼むと、地域や作業人数はもちろん部屋の広さや物量、作業時間などが料金に含まれます。しかしそれ以上に、大切な家族が残した遺品を整理するので、普通の引っ越し作業以上に業者の方も神経を使う仕事です。
特に仏壇の場合は、処分するにもそれまで故人がいた場所ですから、普段以上に丁寧に扱います。オプションにはなりますが、仏壇の魂抜きなど供養も依頼できるため、これにより費用はどうしてもかかってしまうものです。
これらを総じて安心して依頼できる業者かどうかを見極めるのはかなり大変ですので、デメリットに感じてしまうかもしれませんね。
【まとめ】遺品整理の費用相場は事前整理が安く抑えるコツ
今回は、遺品整理を業者に依頼した場合の費用相場や遺品整理にかかる費用を安く抑えるコツをご紹介してきました。費用を安く抑えるコツとしては、「事前に整理できるものはしておく」ことが何よりも重要なポイントになるでしょう。
予め、自分でいる物といらない物に分けて、捨てていいと判断できるものはどんどん捨てていき、売れる物は買い取ってもらいます。その後、遺品整理業者に依頼すると、事前整理が功を奏し業者の作業人数や作業時間が大幅に短縮され、相場よりも安く整理できるのです。
遺品整理には、まずは事前整理をおすすめします。