お墓の管理を行うのが難しく、墓じまいを考える人もいるでしょう。
墓じまいすると、後々の管理をしなくて済むので、将来的なことを考えるとメリットがあります。
ただ、墓じまいをするときは、様々な手続きが必要になるため、その期間のみ忙しくなります。
特に、役所の手続きが多いため、しっかり把握していないと、さらに手間がかかることになります。
墓じまいの役所の手続きの際は把握しておくべきポイントがいろいろあるため、どのように行動すべきなのか紹介しましょう。
墓じまいの役所手続きで必要な書類
墓じまいは、行政への手続きもあるため役所に赴く必要があります。
必要な書類を提出しなくてはいけないので、事前に何が必要なのかチェックしておくのは重要です。
以下のような書類を準備しなくてはいけません。
- 改葬許可申請書
- 埋蔵証明書
- 受入証明書
- 承諾書
- 申請者の身分証明書の写し
それぞれ役所に必要な書類の内容について紹介しましょう。
改葬許可申請書
改葬許可申請書は墓じまいするときに必須の書類であり、現在の墓地がある自治体で申請します。
役所の窓口に行く場合は環境衛生課、または市民生活課などで配布してくれるため、相談してみましょう。
もし、お墓が離れていて自治体の窓口まで行くのが難しい場合は、ホームページにアクセスして資料だけをダウンロードすることも可能です。
必要項目を記入した後に郵送などで送ると手続きを終えられるため、状況に応じて考慮してください。
埋蔵証明書または署名や捺印
埋蔵証明書は、現在の墓地に埋葬されている方を証明するのに必要です。
これは、墓地の管理者から発行してもらうことになるため、間違えないようにすべきです。
民間霊園や公営墓地に埋葬されているなら、管理事務所に連絡して申請する必要があり、寺院墓地であるなら、お寺に発行してもらわなくてはいけません。
宗派などによって埋葬区域が違う場合もあるため申請前に事前に確認しておくのががおすすめです。
また、市区町村によっては改葬許可申請書への捺印でも大丈夫なケースもあるため、作業を短縮するためにもホームページや窓口で確認してみてください。
受入証明書
墓地の契約をする際に管理者が発行してくれる書類です。
必須というわけではなく自治体によっては不要なケースもあるため、事前に窓口などで質問してみるのもおすすめです。
発行自体も時間がかかるわけではありませんが、改葬許可申請書に墓地を記名するだけでOKな自治体のあることから、作業の手間を削減するためにも事前にチェックしておくのが良いでしょう。
承諾書や申請者の身分証明書
墓じまいするときに申請書は必須というわけではありません。
基本的に墓地の使用者や名義人が異なる場合のみ必要です。
承諾書は墓地を管轄している役所の窓口に行く、またはホームページから入手できます。名義人の方や継承者が仕事などの事情で難しい場合は、代わりの人が書類を取りに行くことが可能なので、ぜひ親族や知人にお願いしてみるのが良いでしょう。
身分証明書や写し
手続きをするときは、身分証明書が必要です。
申請者の身分証明書になり、墓地の使用者ではない点について把握しておくべきです。
証明書として認識されるのは運転免許証やパスポート、保険証などになるため、どれか所有しているものを見せることで、その後の書類の手続きはスムーズに進められます。
自治体によっては必ず必要なものというわけではないため、確認しておくのが良いでしょう。
墓じまいを役所で手続きする際の流れとは?
墓じまいをするときは行政での手続きが必要になるため、必ず役所を利用します。
その際、気になるのは「どういう流れで申請や配布をしてもらえるのか」という点のはずです。
墓じまいをするときの流れについて内容を紹介しましょう。
- 墓地の所有者や管理者に墓じまいを伝える
- 自治体の役所で書類をもらう
- 墓地管理者に署名・捺印をしてもらう
- 受入証明書をもらう
- 承諾書も準備する
- 改葬許可書を交付してもらう
墓地の所有者や管理者に墓じまいする点を伝える
墓じまいをする子を検討しているなら、墓地の所有者や管理者に連絡するようにしましょう。
墓じまいを考えたとしても、急に実行すると墓地の所有者は心の準備ができておらず、慌ててしまう可能性があります。
また、継承者が自分ではなく、別の方にしてもらっている場合も意向を伝えるのは大事なポイントになるため、役所手続きする前にコミニケーションを取る必要があります。
墓地の所有者や管理者によって、それぞれの意向もあり、墓じまいの考えをスムーズに受け入れてもらえるわけでもありません。
また、墓じまいの際は所有者と管理者の協力も必要なので、まずは電話や会合などで賛同してもらうようにしましょう。
自治体の役所で書類をもらう(ダウンロードする)
墓じまいするときは墓地のある自治体の役所に行き、上記で紹介した「改葬許可申請書」をもらう必要があります。
窓口に行けば書類を配布してもらえますが、遠方からの場合は時間や手間がかかるので、ホームページからダウンロードするのが楽です。
書類をもらえれば項目に沿って記入していきますが、内容は自治体によって多少変わるケースもあります。
一例としては以下のような項目です。
- 申請者の署名・捺印
- 埋葬されている人の名前や没年月日、火葬場
- お墓の使用者と埋葬されている人の関係
- 改葬の理由
- 改葬先の墓地
- 解体工事する際の業者名
それぞれの情報でも、埋葬されている人と面識がない場合は分からない点もあるはずです。
その場合「不明」と記載すれば、役所でも受理してもらうことができますが、詳細な点は自治体によって異なるため確認しておきましょう。
窓口で対応してもらうより、少し時間はかかりますが、遠方で移動が厳しい方は負担が軽減されるため覚えておきましょう。
墓地管理者に署名または捺印をしてもらう
改葬許可申請が記入できれば、墓地管理者に署名か捺印をしてもらう必要があります。
遠方に住んでいても、郵送して署名をもらうことができるため、わざわざ出向かなくても大丈夫です。
ただ、事前に書類に署名してもらうために郵送することを電話などで伝えておくべきです。
また、署名や捺印を早くしてもらいたいなら、その旨も告げておくようにしておくと、早く対応してもらえるでしょう。
管理者に署名してもらった後に返送してもらえれば、改葬許可申請書は完成します。
受入証明書をもらう
新しいお墓が必要になるなら、改葬許可の手続きをするために受入証明書を入手します。
受入証明書は役所で新たなお墓を登録するときに必要になるため、手元にない状態だと再度取り寄せなくてはいけないので、時間がかかります。
受入証明書は新たな改葬先の管理者から発行される書類になるため、契約したタイミングで配布してもらうようにしてください。
受入証明書は本体ではなく、写しでも効力があるため、改葬許可申請書と一緒に提出しましょう。
承諾書も準備する
もし、代理人として墓じまいを行う時は承諾書が必要になるケースもあります。
承諾書は墓地の使用者と改葬許可申請が異なる場合は、所有していないと書類を発行してもらえないので、事前に取得しておくべきです。
入手は簡単で、墓地がある役所の窓口やホームページからダウンロードできます。
その後、現在の墓地の使用者に署名と捺印をしてもらえれば、承諾書として効力を持つので、改葬許可申請書を提出するときも承認してもらえます。
ただ、墓地の使用者や継承者である場合は不要になるため、自分の立場を確認して発行すべきか判断してください。
改葬許可書を交付してもらう
必要な書類を全て揃えることができれば、身分証明書のコピーを付けて役所に提出してください。
方法は直接窓口に出す方法もありますが、遠くにいる場合は返送用封筒を付けて郵送するのでも受理してもらえるので、自分の状況に応じて利用してください。
また、書類を提出した後は何日か期間が設けられ、直ぐに受理されるわけではありません。
改葬許可証が発行されないと墓地の移動ができないため、墓石撤去の工事を計画している日よりも、余裕を持って提出するようにしてください。
また、納骨の際にも改葬許可証は必要なので、発行してもらった後は墓じまいの工程全てが完了するまで保管しておくようにしましょう。
墓じまいをするときに把握しておくべきポイント
墓じまいをするときは、役所での手続きも考慮して計画していくべきですが、より効率的に進めていくためにポイントを把握しておくのも大事です。
どのように墓じまいを進めていくことができるのか、以下で紹介する点を考慮していくようにしてください。
- 書類の手続きが複雑なら行政書士に依頼する
- スケジュールは詰めないようにしておく
書類の手続きが複雑な場合は行政書士に依頼する
も墓じまいをするときには改葬許可申請書や埋蔵証明書、受入証明書など、様々な書類を申請しなくてはいけません。ただ、家族関係が複雑な場合や戸籍がどうなっているのか把握しにくいケースなどだと、手続きが煩雑でかなり手間と時間がかかるころも予想できます。
そのため、書類関係のプロである行政書士に依頼して、発行の代行をしてもらうのも1つの方法です。行政書士であれば、項目の記載内容も理解しているため、戸籍関係が複雑でも調査して、しっかり記入して申請書を完成してもらえます。
また、書類の作成以外に墓石撤去の見積書の取得、寺院や石材店の連絡や日程調整も行ってくれるケースもあり、様々な分野を依頼できる場合もあります。ただ、行政書士に依頼する場合は費用が大きくかかり、セットプランなどによりますが3〜10万円ほどは資金の準備をしておく必要があるでしょう。行政書士への依頼は慎重に検討するようにしてください。
スケジュールは詰めないようにしておく
墓じまいをする時は、スケジュールを詰め過ぎないようにすべきです。墓じまいは上記でも紹介しましたが、書類の作成に時間がかかり、スケジュールを詰めてしまうと、どこかで不具合が生じたときに作業が止まります。余裕を持って日程を組んだ方が体力的な負担も軽減できるため、余裕を持つようにしてください。
墓じまいの役所手続きのまとめ
墓じまいのときは、役所での手続きが必要になるため、何を申請すべきなのか把握しておくのが重要です。スムーズに手続きをするためにも、行政書士への依頼も検討して進めるようにしてください。