この記事を読んでいる皆さんは「墓じまいの費用を少しでも抑えたい!」と思っているものの、具体的な方法がわからず不安ですよね?
お気持ちはよくわかります。複数の工程があって、総額でいくらかかるのか見当もつかないですよね。
墓じまいを安く抑えるポイントは「長い目で見て、子孫がお墓を管理できるか」を真剣に考え抜くことです。
20年後、30年後を生きる子孫は、今あるお墓を管理できるでしょうか。
仕事による引っ越しが当たり前の時代。働き盛りの若い世代に、お墓の管理で負担をかけたくない親が増えています。
この記事では、茨城県の墓じまいを安く抑えたい方向けに、どうすれば費用を安く抑えられるか? なぜ長期的目線で考えると費用が抑えられるのか? について詳しく解説します。費用を抑えるためには、補助金制度やお墓を管理する長期的な考え方を知ることです。結果的に総合的に費用を安く抑えることができます。ぜひ最後までお読みください。
墓じまいとは
墓石を撤去し、墓地を更地にして管理者に使用権を返還することです。土地は借りているので、返さなければなりません。現在は、お墓を別の場所に作り直すことが多いです。なぜなら、お墓の管理をしやすくするためです。
墓じまいと聞くと、お墓自体をなくしてしまうイメージですが、実際には先祖の遺骨を別の場所に引っ越しすることです。
墓じまいで特に注意する点
20年後、30年後にお墓の管理のする人の状況まで考えることが最も重要です。墓じまいの費用は決して安くはありません。費用や予算を考えることは大事ですが、墓じまいした後のことを見据えて進めていくことで結果的に費用を抑えることができます。
実際の墓じまいの流れ
「墓じまいの手続きってなんだか大変そう」そんなイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。そもそも何から始めればいいのかわからない。まずは、全体の流れを把握しておきましょう。
- 家族、親族とよく話し合う
- 墓の管理者に改葬を伝える
- 新しい納骨先を決める
- 複数の石材店に見積もり依頼する
- 行政手続きを行う
- 墓石を撤去・更地にする
- 新しい供養先へ納骨する
茨城県の補助金制度
茨城県では補助金制度はあるのでしょうか?県内では唯一、水戸市公園墓地の返還協力金の制度があります。
目的は、早急に墓地を使用する市民へ墓地を供給することです。墓地の返還促進事業の協力者に、協力金を交付しています。
- 使用許可日の翌年度から7年以上経過している
- 墓地区画内に納骨をしたことがない
- 墓地管理料に未納がない
協力金の金額
種別 | 区分 | 金額 |
---|---|---|
浜見台霊園 | 特別霊域(4~36平方メートル) | 26,250円/1平方メートルあたり |
第1種(12平方メートル) | 294,000円 | |
第2種(8平方メートル) | 168,000円 | |
第3種(6平方メートル) | 115,500円 | |
第4種(4平方メートル | 70,000円 | |
堀町公園墓地 | 4平方メートル | 70,000円 |
交付までの流れ
申請に必要な書類はなにか? 決定の通知と協力金はいつなのか? 申請に必要な書類から順を追って解説します。
申請書の提出
書類 | 備考 |
---|---|
公園墓地返還申出兼協力金交付申請書 | 公園墓地返還申出兼協力金交付申請書 [Excelファイル/51KB] |
区画墓地返還届 | 区画墓地返還届 [Wordファイル/14KB] 区画墓地返還届 [PDFファイル/103KB] |
墓地使用許可証 | 無い場合は、その旨お伝えください。 |
相手方登録申請書 | 相手方登録申請書 [Excelファイル/128KB] |
通帳のコピー | 相手方登録申請書に記入した口座番号等が確認できる通帳等の写し |
- 決定通知の送付:確認が終わり次第、承諾通知が墓地使用者に送付されます。
- 協力金の振り込み時期:承諾通知書の送付後、1か月前後に指定口座に振り込まれます。振込日の通知はないので、自分で入金確認をしましょう。
茨城県の墓じまいの費用
「墓じまいにかかる費用ってどれくらいなのかな」と不安に思うものの、親族と話し合ったり手続きを調べることで精一杯ですよね。費用を抑えるには、墓じまいにかかる費用や相場を知っておくことです。
総額 約30万~200万円
茨城県で墓じまいにかかる費用相場は、約30万~200万円です。どうして金額に幅があるの?と思うでしょう。なぜなら、墓じまいの後に選択する供養方法が異なるからです。また、墓石の撤去に重機(クレーン車)を使用するか、必要な人員数によって変わってきます。
各項目の相場を感覚的に知っておくことで、高いのか安いのか判断することができます。
内訳項目 | 費用 | 備考 |
---|---|---|
お墓の撤去費用 | 1㎡あたり10万~100万円 | 墓石撤去・更地工事費 |
新しい供養先 | 5万〜150万円 | 永代供養墓、樹木装、納骨堂、散骨、手元供養などが一般的 |
お布施 | 3万~10万円 | 閉眼供養のお礼として、僧侶に渡すお金。 |
行政手続き | 数百円~1,500円 | 改葬許可申請書の発行手数料 |
離檀料 | 3万~20万円 | お世話になったお礼として、お寺に渡すお金。 |
墓じまいの具体的な手続き
スムーズに手続きを進めるためにはどうしたらよいのでしょう?気をつけたいポイントを具体的に解説していきます。
1.家族、親族とよく話し合う
墓じまいを検討したら、真っ先に行うことが家族、親族との話し合いです。勝手に墓じまいを進めてしまうと、後で大きなトラブルが発生する可能性があります。実際にお墓を管理する人が管理しやすく、みんなが納得できることが大切です。必ず事前に話し合い、家族・親族の了承を得ましょう。
2.墓の管理者に改葬を相談する
墓の管理者に改葬のことを相談しましょう。お寺から遺骨を出す際に、改葬先の書類が必要になります。なぜなら、墓の管理者の記入・捺印をしてもらう必要があるからです。また、いきなり改葬すると伝える前に相談することで、高額な離檀料を請求されることを防げます。
以下の3つのポイントは、墓石の解体・撤去費用や遺骨の改葬費用の見積もりに必要となります。少しでも費用を安く抑え、スムーズに手続きするためにも、事前に確認しておきましょう。
- お墓に何柱の遺骨が入っているか
- お墓の大きさや面積
- 土葬されているご遺体の有無
3.新しい納骨先を決める
取り出し遺骨を新たに納骨しなければなりません。墓地、埋葬等に関する法律で、お墓以外の場所に埋葬できないと定められています。そのため、新たな納骨先を決めましょう。永代供養の合祀墓や納骨堂など改葬先の選択肢が挙げられます。
4.行政手続き
現在のお墓がある自治体に申請して、改葬許可申請書を入手します。墓じまいで遺骨を取り出し、新たなお墓に引っ越すために必要な書類です。許可申請には、以下の3つの書類が必要です。申請者の本人証明書類を提示し、窓口で申請するか、添付して郵送しましょう。
- 埋葬証明書
このお墓には誰が眠っているのかを証明する書類。今あるお墓の管理者に発行してもらいます。 - 受入証明書
遺骨の受け入れを許可したことを証明する書類。新しいお墓の管理者に発行してもらいます。 - 改葬許可申請書
「墓の移動を許可する申請書類。今のお墓がある市区町村に発行してもらいます。
墓地・納骨堂に関する問い合わせ先:出典 茨城県市町村 一覧
水戸市 改葬許可申請書の記入例
5.墓石の解体・撤去
遺骨の取り出しは、お墓石の解体を行う石材店に依頼するのが一般的です。閉眼供養と遺骨の取り出しを同日で行う人が多く、両方に立ち会うことが可能です。
墓石を撤去し、墓地を更地にしたら、お墓の使用権を墓の管理者へ返還します。
6.移転先に納骨する
墓石の解体・撤去が済んだら、新しい納骨先に納骨します。
納骨の際に、納骨作業や法要を行うことがあります。寺院や墓苑の管理者と日程を調整して納骨日を決めましょう。
新しい納骨先に納骨して墓じまいが完了です。
墓じまい後の引っ越し先と費用を抑えるポイント
墓じまいで取り出した遺骨は、新たな供養先に納骨する必要があります。墓じまいの費用を安く抑えられる「永代供養墓」「散骨」「樹木葬」「手元供養」の4つに絞って解説します。
- 一般的なお墓
- 樹木葬
- 永代供養墓
- 納骨堂
- 散骨・海洋散骨
- 手元供養
樹木葬
樹木葬とは遺骨を土に還し、周辺に樹木を植えて供養する新しい形式です。遺骨が土壌の一部となり、自然環境に取り込まれていきます。樹木葬の費用相場は、10万~30万円です。選択する種類によって異なります。集合埋葬型の費用は比較的に安価です。理由は、一つの樹木に複数の遺骨を埋葬するからです。
ただし、上記の金額は遺骨を入れるだけの費用相場です。埋葬地のレンタル料や樹木の管理費なども考える必要があります。
永代供養墓
永代供養とは、お墓の供養・管理をお墓の墓地管理者が供養をすることをいいます。
お墓の継承がいない場合困難、後継の心配がいりません。後継者がいない人、独り身の人に選ばれています。
永代供養墓の種類には、合祀墓があります。費用は10万円~となっており安価です。複数の方の遺骨と混合して納骨します。注意点は、遺骨を取り出すことができないことです。
散骨・海洋散骨
散骨とは、墓じまいで取り出した遺骨を粉骨(細かく砕いて粉末状にする)して、海や山に撒きます。費用は5万円からと、費用を安く抑えられるだけでなく、海や山が好きだった故人にも喜ばれる供養方法です。遺骨をすべて自然に還すので、お墓の維持管理の心配もありません。
散骨をする場合は、必ず自治体の条例を確認しましょう。条例で禁止されている自治体もあります。
手元供養
手元供養とは、遺骨を墓地や納骨堂に納骨せず自宅で供養方法です。費用は数千円からとなっています。
遺骨を小さな骨壷に収めて保管する方法や、ペンダントやブローチなどのアクセサリーに加工する方法があります。
故人を身近に感じられるので、現代のライフスタイルに適応しています。
まとめ|墓じまいの後の管理を考えた選択を!
茨城県の墓じまいの補助金と総額費用について解説してきました。墓じまいの総額費用のイメージはついたでしょうか。大変なイメージの墓じまいですが、「管理する家族のためにもやってよかった」「無縁墓にならなくて安心した」という声が多いです。
墓じまいは表面的な費用だけでなく、墓じまいをした後の管理について考えることが重要です。家族や親族が納得のいくまでしっかりと話し合うべきです。今がよくても後継者がお墓を管理していくことになります。せっかく墓じまいをすると決めたのなら、管理しやすいほうがよいですよね。目先の費用だけにとらわれず、未来を考えた墓じまいと供養方法を選択しましょう。