東京都の墓じまい平均相場と補助金制度を解説！手順や費用負担を抑える方法

2024年12月17日

東京都では都立霊園の改葬に必要な費用を免除する制度があります。墓じまいをお考えの方は、利用できる制度を活用すると良いです。

本記事では東京都の墓じまいの平均相場から、利用できる補助金制度、墓じまいの流れについて解説します。墓じまい前に知っておくと費用を抑えることもできるので参考にしてください。

東京都の墓じまいの平均相場

東京都での墓じまいの平均相場は、約50万〜200万円です。今あるお墓の大きさや、墓じまい後の改葬方法によって費用に幅があります。費用をかけずに墓じまいできても約50万円は必要になることを考えておきましょう。

東京都の墓じまいにかかる費用の内訳

東京都で墓じまいする際の費用の内訳は、以下を参考にしてください。

内容	費用相場
お墓の撤去費用	約10万円（1㎡あたり）
改葬費用	約5万〜150万円
お布施	約3万〜10万円
行政手続き諸費用	数百円〜1,500円
離壇料	約3万〜20万円

墓じまいは、今あるお墓を更地にして管理者に返還することを言います。今あるお墓を撤去するので、新たに改葬先を決定します。そのため、撤去費用だけでなく新たな改葬方法によって、別途費用がかかります。

撤去費用はお墓の大きさや撤去を依頼する石材店によって費用に幅があります。思わぬ出費をなくすためにも撤去費用はどのくらいかかるか誤差のないように計算しておくと良いです。

新たな改葬先は、親族で話し合い決定します。遺骨を残すかどうかで改葬方法は異なり、費用も変わってくるので予算内で、納得のできる方法を選択しましょう。

墓じまいには他にも費用がかかります。お布施や離断料はあくまで目安ですが、東京都の相場はお布施も離断料も3万円〜です。墓じまいの予算を考えておかないと、余裕がなくなることもあるので注意が必要です。

東京都の墓じまいの予算相場は目安ですが、決して安価ではありません。予算や維持することを考えて無理のない墓じまいを進めることが重要ですが、活用できる制度も調べておくと良いです。

東京都の墓じまいの補助金制度

東京都は「施設変更制度」を実施しています。施設変更制度は「合葬埋蔵施設」に改葬する際に利用できます。

今あるお墓を墓じまいして、改葬先として「合葬埋蔵施設」を利用する場合、使用料が免除されるので維持費を抑えることが可能です。

東京都の「施設変更制度」が利用できる対象者

東京都で利用できる「施設変更制度」は都立霊園が実施しています。そのため、都立霊園内のお墓を墓じまいする際のみ該当します。

現在、都立霊園でお墓をお持ちで、墓じまい後の改葬先として「合葬埋蔵施設」を利用する際にかかる解体撤去費用と遺骨の供養にかかる費用が免除されます。利用できる対象者は限定されますが、利用できる方は負担を抑えられるので検討すると良いでしょう。

補助金制度が利用できるのは一部の自治体だけ

墓じまいの補助金制度が利用できるのは一部の自治体だけです。このような制度を設けるのは墓地の返還を促すためです。大々的に告知していなくても、補助金制度を用意する自治体もあるので、墓じまい前に何かしら活用できないか事前に確認しましょう。

補助金制度の多くは対象者を限定します。知らずに墓じまいを進めた後に「知っていたら負担を抑えられたのに」と後悔しないように必ず事前に確認しましょう。

墓じまいの補助金制度を利用する方法

墓じまいで補助金制度を利用する場合、必要な手続きは以下で行います。必要書類は地域により異なるので、事前にお墓を管轄する役所に問い合わせると良いでしょ

必要書類	申請場所
墓地の返還届	市町村役場
補助金の交付申請書
補助金の交付請求書
返還に関する書類
使用者の戸籍謄本
工事代の見積書及び領収書	工事業者
工事前後の写真	工事業者へ依頼もしくは自分で撮影
墓地の使用許可証	墓地の使用者

自治体によっては、振込口座の通帳が必要になることがあります。基本的に補助金の支払いは後払いなので振り込みまでしっかり確認しましょう。

東京都の墓じまいに必要な手続きと流れ

東京都の墓じまいは、以下の方法で行います。

家族や親族と相談して墓じまいの同意を得る
墓地の管理者に墓じまいの意思を伝える
墓じまい後の改葬先を決定する
お墓の撤去・解体のための業者や石材店から見積もりを取る
永代供養の契約をする
墓石の解体・撤去工事の契約をする
市役所・役場に申請し「改葬許可証」を得る
墓石の解体・撤去工事を行う
墓地管理者へ墓地の使用権を返還する
ご先祖さまの遺骨を新たな改葬先に納骨する

墓じまいは、数日で簡単にできることではありません。時間も必要になり、墓じまいを進めるためには親族、家族の協力が必要です。話し合いがもつれると精神的にも負担が大きくなります。さらに、費用面で生活を圧迫させることになるとストレスは大きくなります。

そのため、墓じまいの流れを事前に理解しておくことが重要です。また、負担をできるだけ少なくするために補助金制度が利用できるなら積極的に活用すると良いです。墓じまいはご先祖さまをこれからも快適な環境で休めるために行います。親族や家族が大きな負担を追う必要はないということを考えましょう。

東京都の墓じまいで補助金以外に費用を抑える方法

東京都で利用できる補助金は、現在対象者が限られています。そのため、費用を抑える方法を取り入れることも重要です。墓じまいは身近な儀式ではないので、どのような方法で費用を抑えられるか分からない方も多いでしょう。墓じまいで費用を抑える方法として、以下を参考にしてください。

石材店は相見積もりをする
費用が安い供養先を探す
離断料やお布施を相談する
安い金利のメモリアルローンを利用する
ポイント付与のあるクレジットカードを利用する

石材店は相見積もりをする

墓じまいで費用を占める「お墓の撤去・解体」はできるだけ多くの石材店に見積もりを取るようにします。その理由は、石材店によって費用に幅があるからです。

地域密着型の石材店は対応が良く親切に作業をしてくれますが、顧客数が少ないと費用は高くなります。一方、大型店舗は顧客を抱えるので、作業に時間をかけることが困難になります。

あくまでイメージですが、地域密着型の石材店も大型店舗もメリット・デメリットがあることを理解して納得のいく石材店に依頼することが重要です。身近に墓じまいの経験者がいるなら、相談してみるのも良いです。

撤去にかかる費用
作業までに取り掛かれる日数
誤差のない見積書を取る

上記の3項目は必ず確認します。最終的に料金にあまり差がない場合は、担当者との相性を優先すると良いです。

費用が安い供養先を探す

墓じまいの後に、どのような供養方法を選ぶかも重要です。供養方法として大きく分かれるのは「遺骨を残すか」「遺骨を処分するか」です。遺骨を処分すると聞くと、イメージは悪いかもしれませんが、近年遺骨を残さずに供養する家庭も増えています。

散骨
樹木葬
焼き切り
ゼロ葬

いずれも、ガイドラインに沿って正しく供養しなくていけませんが、生前に遺骨を残さなくて良いと意思を告げる方も増えており、決して間違った供養方法ではありません。遺骨を処分することで、その後の管理は抑えられます。

遺骨を残して供養先を変える場合、新たにお墓を建てるか、永代供養墓を選ぶのか、納骨堂への納骨などさまざまです。供養方法によって維持費、初期費用が異なるので負担を抑えられる方法を選びましょう。

離断料やお布施を相談する

墓じまいに必要な「離断料」「お布施」は感謝の気持ちを込めて包むお金です。そのため、絶対に払う必要があるわけではありません。しかし、離断料はこれまでお墓を守ってくれた管理者に包むお金で、お布施は僧侶に包む謝礼金です。一般的にゼロというのはなく気持ちとして包むので無理のない額で渡す方が、お互い気持ちよく墓じまいが進められます。

お布施においては、遠方から出向いてくれた場合、交通費も別途支払います。もちろん、交通費も絶対ではありませんが常識ということは考えておくと良いです。離断料やお布施が予算ギリギリの場合は、無理に相場を包む必要はありませんが親族間で話し合い、相談するのも良いでしょう。