【完全版】墓じまいの挨拶状の例文と書き方ガイド

墓じまいを行う際、親族や関係者への「挨拶状」をどうしたらよいかどうか迷っていませんか?墓じまいと合わせて、その報告と感謝の気持ちを伝えるための挨拶状はとても大切です。しかし、どのように書くべきか、何を盛り込むべきか悩む方も多いでしょう。

本記事では、墓じまいの挨拶状について、挨拶状の基本構成と書き方、場面に応じた例文集についてお伝えします。初心者の方でもわかりやすく、すぐに使える例文を掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

墓じまい挨拶状の基礎知識

墓じまいの挨拶状とは?

墓じまいの挨拶状は、親族や関係者に対して「墓じまい(お墓の処分)を行ったこと」とその理由を丁寧に伝えるための文書です。この挨拶状を通して、墓じまいをするという重要な決断についてをしたことの説明をし、さらには、日頃の感謝の気持ちを表すことができます。そのため、墓じまいの挨拶状には、報告と感謝の意をしっかり伝え、今後の親族間の円満な関係を維持するという役割もあります。

なぜ墓じまいの挨拶状が必要なのか

墓じまいの挨拶状が必要な理由は、主に以下の2点です。

  1. トラブルを防ぐため
    墓じまいは、先祖代々続くお墓に関わる重要な事柄であるため、家族や親族の間であっても感情が入りやすい内容です。タイミングによっては、墓じまいの決定が親族にとって急に感じられる場合もあり、きちんとした挨拶状がないと、誤解や反感を招く可能性があります。挨拶状を一筆書きで、事前に丁寧な説明と感謝を伝えることで、余計なトラブルを未然に防ぐことができます。
  2. 感謝の気持ちを伝えるため
    墓じまいは長年、先祖を供養してきた親族や親しい関係者にとって大きな変化です。墓じまいを理解してもらうと同時に、これまでのお墓の管理や供養に関する感謝の気持ちを伝えることで、これからの関係性にも大きく影響してきます。

墓じまい挨拶状の書き方

ここでは、墓じまいの挨拶状を書くときの基本的な構成とその手順について詳しく解説していきます。

挨拶状の基本的な構成

墓じまいの挨拶状は、相手に礼儀を尽くしつつ、必要な情報を的確に伝える必要が内容求められます。一般的な挨拶分の内容構成は以下の通りです。

  • 時候の挨拶:季節の挨拶から丁寧に書き始めることで、挨拶状全体に親しみやすさが生まれます。
  • 報告と理由:なぜ、墓じまいを行ったのか、その理由を伝えます。
  • 感謝の言葉:これまでの供養やお力添えいただいたことへ感謝を述べます。
  • 新旧の墓地住所:墓の移転先や新しい供養先の住所を明記し、いつでも訪問できるようにお伝えします。
  • 結びの挨拶:締めの言葉で礼を尽くし、終わりの挨拶をします。

書き方の手順

1. 時候の挨拶から始める

挨拶状の冒頭では、季節感を意識した時候の挨拶で丁寧に書き始めましょう。例えば「秋も深まり、日増しに冷え込んでまいりました」といった季節の表現を加えると、柔らかい印象になり、その後の内容も受け入れやすくなります。

2. 墓じまいの報告と理由を伝える

続いて、墓じまいを行った理由を具体的に説明します。例えば「後継者不在や遠方からの供養管理が難しくなってしまったため、先祖の墓を移転させていただきました」などの表現が適しています。

3. 感謝の言葉を添える

これまでの供養や支援に対しての感謝を述べることで、丁寧な印象となります。「長年のご厚意に感謝いたします」といった表現で、感謝の気持ちを伝えましょう。

4. 新旧の墓地の住所を記載する

墓じまい後の新しい供養先(寺院名または、霊園名、所在地)や旧墓地の住所を記載し、供養の場を明確に表示しておきます。今後、親族が新しい供養先を訪れるときの重要な情報となります。忘れずに記載するようにしましょう。

5. 結びの挨拶で締めくくる

最後に、結びの挨拶で締めます。今後の関係を途切れされないためにも、「これからも末永くよろしくお願いいたします」など、穏やかな言葉で挨拶文を終えるようにしましょう。

墓じまい挨拶状の例文

一般的な例文

一般的な墓じまいの挨拶状には、墓じまいを行ったことの報告とこれまでの感謝の言葉が含まれ、相手の必要な情報がすぐに分かるように記載します。以下は、墓じまいの一般的な挨拶文の一例です。

拝啓
時下、皆様には、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。

さて、このたび家族間で相談を重ね、去る令和〇年〇月〇日に〇〇家の先祖代々のお墓を墓じまいさせていただく運びとなりました。

墓じまいを執り行った理由といたしましては、主に墓の管理を行っていた両親がともに高齢となり、管理が難しくなったためであります。

誠に勝手ではございますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

◯◯家のお墓は◯◯(新しい所在地)に移し、今後はそちらで供養させていただきます。
これまでのご厚情に心から感謝いたしますとともに、今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。
敬具

季節別の例文(春・梅雨・秋など)

季節ごとに時候の挨拶を加えた例文を用いると、より丁寧な印象を与えられます。

春の例文

拝啓
春暖の候、皆様にはご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、我が家では◯◯家の先祖代々のお墓を墓じまいし、新たな供養先に移すことにいたしました。

その理由としましては、住まいを移すことになり、定期的な維持・管理が難しくなったためです。

誠に勝手ではございますが、突然のご報告となりましたことご迷惑をおかけします。

なお、今後は、○○(新しい所在地)にて、供養させていただきます。

今後も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。
敬具

梅雨の例文

拝啓
雨が続きますが、皆様にはますますお健やかにお過ごしのことと存じます。
このたび、◯◯家の墓じまいを行い、新たな供養先でお祀りさせていただきます。

新墓地:寺院名や霊園名、新住所
これまでのご厚情に深く感謝いたします。
敬具

秋の例文

拝啓
秋も深まり、日増しに冷え込む季節となりましたが、皆様にはお変わりなくお過ごしのこととお喜び申し上げます。
このたび、令和〇年〇月〇日、長年守ってきた◯◯家のお墓を墓じまいし、別の場所に移させていただきました。

家族間で何度も話し合いを重ね、決断した次第であります。

どうぞご理解いただけますと幸いです。

○○様におかれましては、これまでのご厚情、大変感謝申し上げます。
どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
敬具

親戚や親しい知人向けの例文

親しい関係の相手には、少しくだけた表現で書くこともできます。温かい言葉を添えることで、気持ちが伝わりやすくなります。

拝啓
○○様にはご無沙汰しておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
このたび、家族で相談し◯◯家のお墓を墓じまいさせていただきました。
長年のご厚情に心より感謝申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
敬具

お寺や墓所に送る際の例文

お寺や墓所に挨拶状を送る際は、感謝の意を特に丁寧に伝えましょう。

拝啓
このたび◯◯家の墓じまいを行うこととなり、長年にわたり供養していただきましたこと、心よりお礼申し上げます。ありがとうございます。
今後は◯◯霊園にて供養を行ってまいります。
貴寺のご厚意に深く感謝するとともに、今後ともお導き賜りますようお願い申し上げます。
敬具

【まとめ】墓じまいの挨拶状はていねいな作成を!

本記事では、墓じまいの挨拶状を書くためのポイントや例文をご紹介しました。

挨拶状は、墓じまいを執り行ったことを親族や知人への知らせるための報告だけでなく、これまでの供養への感謝の気持ちを伝えるための大切な手段のひとつです。そのため、書き方や送るタイミングを間違えると、誤解や家族間トラブルの原因になります。そんな事態を避けるためにも、この記事でご紹介した手順や例文を参考に、丁寧に内容を吟味し作成しましょう。

ポイントは、時候の挨拶から始まり、墓じまいの報告と理由、感謝の言葉をしっかりと添えることです。相手の立場に配慮し、誰に送るのか、送付するタイミングなども大切なので、家族間でしっかりと相談を重ねてからの送付がおすすめです!

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