自分でお墓に納骨するために|納骨に必要な4つの準備と注意点を詳しく解説

「自分でお墓に納骨することはできるのかな?」
「手続きは複雑そうだけど、ちゃんとできるだろうか…」
このような不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

お墓への納骨は、状況によって自分でも実施することができます
しかし専門的な知識や技術が必要となるケースも多く、安全面での配慮も欠かせません。

本記事では、自分で納骨を行う際の手続きや準備、作業の流れ、注意点について詳しく解説します。
自分で納骨するか専門業者に依頼するか迷っている方は、参考にしてみてください。

目次

お墓への納骨は自分でできるのか

お墓への納骨は自分で実施することが可能です。
納骨の際には墓地の管理事務所で必要な手続きを済ませる必要があります。

民営霊園や寺院墓地では指定業者が定められていることが一般的です。
そのような場合は、指定業者へ納骨を依頼しなければいけません。

お墓の構造によっては、重い石材を移動させる作業が発生することもあります。
そのため安全面を考慮すると、専門業者へ依頼することがおすすめです。

納骨を自分で行う場合のメリット・デメリット

納骨を自分ですべきかどうかを検討されている方に向けて、メリットとデメリットを解説します。
納骨方法を迷っている際の参考にしてください。

自分で納骨を実施する際のメリット

納骨を自分で実施することで、経済的な負担を大幅に軽減できます。
石材店への依頼費用や作業料金などの諸経費を節約することが可能です。

一般的に石材店へ依頼する場合は、専門的な作業費用が必要となります。
そのため、予算を抑えたい方にとって自分での納骨は有効な選択肢といえるでしょう。

自分で納骨を実施する際のデメリット

納骨を自分で実施する場合、墓石を損傷させてしまうリスクがあります
専門知識のない方が墓石を扱うことで、予期せぬ傷や破損が生じることもあるでしょう。

香炉の取り扱いや納骨室の開閉作業では、墓石との接触による傷が発生しやすいものです。
石材店などの専門家と比べると、墓石への損傷リスクは高くなります。

墓石の取り扱いには細心の注意が必要となりますが、不慣れな作業による事故は避けがたいものです。

自分でお墓に納骨する際の必要書類と準備物

納骨を実施するには、埋葬許可証の取得が必要です
市区町村役場での手続きには以下の書類が必要になります。

必要書類説明注意点
死亡届市町村役場に提出必須書類
死亡診断書/死体検案書医師が発行7日以内に市区町村役場へ提出
死体埋火葬許可申請書役場で記入申請時に必要

埋葬許可証は火葬場で火葬執行済の認印を受けた死体埋火葬許可証から発行されます
この許可証は納骨の際に必要となるため、大切に保管しておきましょう
納骨の際には、施主の印鑑も手続きに必要となるケースがあるため、必ず準備しておきましょう。

その他の準備品
  • 喪服一式
  • 数珠
  • お供え物
  • 僧侶へのお布施・お車代 など

これらを事前に用意することで、スムーズな納骨が可能となります。

納骨を自分で実施する前に行うべき手続き

納骨を自分で実施する場合、事前の手続きが不可欠です。
納骨前の手続きを行い、必要書類を準備することで、納骨をスムーズに進めることができます

手続きに不備があった場合、納骨をできなくなる可能性もあります。
以下で説明する手続きを確認し、慎重に準備を進めていきましょう。

お墓の管理者へ事前に連絡する

納骨を自分で実施する際は、まず墓地や霊園の管理者への連絡が必要となります。
管理者に対して自分で納骨を希望する旨を説明し、手続きの際に必要となる書類や準備物を確認しましょう
墓地や霊園の種類によっては管理者が異なるので、正確な連絡先を事前に確認しておきましょう。

管理者への事前連絡なしでの納骨は厳禁です
無断での納骨行為は深刻なトラブルを引き起こす可能性があるため、必ず許可を得てから実施してください。

埋葬許可証を管理者に提出する

納骨する際には、墓地管理者への埋葬許可証の提出が求められます。
埋葬許可証は火葬場のスタッフが火葬許可証に押印を行った正式な書類です

火葬場で埋葬許可証を受け取った後は、納骨まで紛失しないように保管しておきましょう。
この書類がないと納骨が実施できなくなる可能性があります。

納骨式のために僧侶を準備する

納骨を自分で実施する場合でも、納骨式を執り行うことができます。
納骨式の実施を希望する場合は、菩提寺や近隣のお寺の僧侶へ依頼することが可能です

菩提寺がある場合は、まずそちらの僧侶に納骨式の実施について相談してみましょう。
日程調整や必要な準備物について、詳しい打ち合わせを行うことが大切です。

納骨室を事前に確認する

納骨を円滑に進めるため、お墓の納骨室の状態確認が必要です。
納骨室のタイプやスペースの確認を事前に行うことで、納骨当日の作業がスムーズになります

納骨室内に水が溜まっていないかの確認も重要です。
水が溜まったままの場合、骨壺にカビが発生する原因となるため、発見した場合は適切な排水作業をしましょう。

納骨室の事前確認で見るべきポイント

納骨を実施する前に確認すべき納骨室のポイントは以下のとおりです。

確認項目チェックポイント注意点
スペース納骨室内の空き状況骨壺が十分に収まるか確認
入り口部分開口部の余裕度作業スペースは適切か
納骨室のタイプ地上式か地下式か作業方法の違いを把握
水の有無室内の水の滞留状況水がある場合は排水が必要
全体状態破損や劣化の有無修繕の必要性を確認

納骨室の状態を綿密にチェックすることで、安全かつ確実な納骨作業が可能となります
不具合を発見した際は、早めに対処することが大切です。

自分で納骨を実施する際の手順

納骨当日の作業をスムーズに進めるための実施手順を解説します。
適切な手順を理解し、丁寧に作業を進めることが安全な納骨につながります

以下で具体的な作業の流れを詳しく解説していきますので、しっかりと確認しながら準備を進めていきましょう。

納骨室の入り口から香炉を下ろす

納骨作業の第一歩として、納骨室の入り口にある香炉を下ろします。
香炉の移動は慎重に行い、傷や破損を防ぐための準備が重要です

香炉を下ろす際の作業手順
  1. お墓の前に清潔なタオルを広げる。
  2. 取り外し可能な金具があれば事前に外す。
  3. 花立てが作業の妨げとなる場合は移動させる。
  4. 香炉を慎重にタオルの上に移動する。

納骨室の入り口には汚れが蓄積していることが多いため、汚れがある場合は、開ける前に清掃を行いましょう。

納骨室へ骨壷を納める

香炉を移動させたら、いよいよ骨壷を納骨室へ収納する作業に移ります。
墓石を傷つけないよう細心の注意を払いながら、納骨室の開閉作業を実施することが大切です

納骨の基本手順
  1. 納骨室の開閉方法を確認する。
  2. 骨壺を丁寧に納骨室へ収納する。
  3. 地域の習慣に従い、必要に応じて遺骨を袋へ移す。
  4. 納骨室を閉める。
  5. 香炉を元の位置へ戻す。

専門業者による作業と異なり、全ての工程を自分たちで行う必要があります。
作業中は墓石との接触に十分気をつけましょう
地域ごとの習慣がある場合もありますので、事前に確認することをおすすめします。

納骨後に供養を行う

納骨作業が完了した後は、故人への供養を丁寧に行います。
お供え物やお花、線香などをお供えし、心を込めた供養を実施しましょう

供養の実施方法
  • お供え物を丁寧に設置する。
  • お花を飾る。
  • 線香をお供えする。

納骨式を依頼している場合は、僧侶にお経をあげてもらいます。
その際には、お布施を用意することを忘れないようにしましょう。

納骨式を行わない場合でも、しっかりと供養を行いましょう。
以上で納骨は完了となります。

納骨を自分で実施する際の注意事項

納骨を自分で行う場合、いくつかの重要な注意点があります。
トラブルを防ぐため、事前に必要な知識と注意事項を把握することが重要です

以下では具体的な注意点を詳しく解説していきますので、安全で安心な納骨のために確認してください。。

墓石は丁寧に取り扱う

墓石は非常にデリケートな素材で作られています。
墓石の損傷を防ぐため、慎重な取り扱いと保護対策が必要です

取り扱い時の注意点
  • 優しく丁寧な動作を心がける。
  • 他の石材との接触に注意する。

墓石を一時的に移動する際は、厚手のバスタオルを敷いて保護することをおすすめします。これにより、傷や欠けを防止することが可能です。

乱暴な取り扱いは、墓石の割れや欠けの原因となりますので、十分に注意を払う必要があります。

お墓の構造を把握する

納骨を自分で実施する前に、お墓の構造を詳しく確認しておきましょう。
お墓の構造によっては、納骨作業の難易度や安全性が大きく異なります

香炉を動かすだけで納骨室に入れる場合は、比較的安全に作業できます。
しかし、納骨室の開閉に重い石材を移動させる必要がある場合は、作業中の事故やけがの危険性が高いため、専門業者へ依頼することがおすすめです。

親族には事前に相談し承諾を得る

納骨を自分で実施する場合は、親族への事前相談が欠かせません。
無断での納骨は家族間のトラブルを引き起こす可能性があります
自分で納骨をしたい理由を丁寧に説明し、親族の理解と承諾を得てから実施しましょう。

周囲のお墓を破損しないように配慮する

納骨作業中は周囲のお墓を傷つけないよう、細心の注意が必要です。
墓石は非常にデリケートな素材のため、わずかな接触でも損傷する可能性があります
作業の際は骨壺や香炉、墓石などの取り扱いに気をつけ、周囲のお墓との接触を避けるよう、慎重に行動しましょう。

納骨を自分で行うことをおすすめしないケース

自分で納骨作業を実施することは、一定のリスクが存在します。
安全性などの観点から、専門業者への依頼が推奨されるケースについて見ていきましょう

指定石材店がある墓地で納骨する場合

墓地によっては、納骨作業を指定石材店に依頼しなくてはいけないことがあります。
民営霊園や寺院墓地の多くでは、原則として墓地指定の石材店へ依頼する必要があります

ただし、公営墓地や共同墓地では通常、指定石材店の定めはありませんので、自分での納骨が可能です。

重量のある石材を動かす場合

重たい石材の移動が必要なお墓では、安全面から専門業者に依頼するようにしましょう。
特に関東型のお墓に見られる拝石は数十キロの重量があり、取り扱いを誤ると重大な事故につながる可能性があります

墓石は非常にデリケートな素材でもあるため、わずかな接触でも損傷する危険性があります。
ご自身や墓石の安全を考慮し、重量のある石材を扱う場合は必ず石材店に依頼しましょう。

目地止めやコーキングされている石材の場合

納骨室の入り口に目地止めがされている場合は、石材店へ依頼することがおすすめです。
目地止めの処理には専門的な技術が必要で、間違った作業を行うと、雨水の侵入などの問題を引き起こす可能性があります

作業の流れ
  • 既存の目地止めのカットを実施する。
  • 納骨作業を実施する。
  • 新しい目地止めの施工をする。

技術的な作業が必要な場合は、石材店に任せることで、納骨室を適切に保護することができます。

納骨作業への不安がある場合

安全な納骨に不安がある場合は、迷わず石材店への依頼がおすすめです。
香炉や花立てなどは重量があるため、体力や身体に不安のある方は無理をせず、石材店へ依頼するようにしましょう。

まとめ

お墓への納骨は状況に応じて自分でも実施できますが、適切な準備と注意が必要です。
事前の手続きや安全面での配慮を怠らないことが、円滑な納骨の実現につながります

手続きの面では管理者への連絡や親族の承諾が必要です。
また墓地の規則によっては指定石材店への依頼が必要な場合もあります。


納骨作業は墓石を傷つけるリスクが伴うため、重い石材の移動が必要な場合や、体力に不安がある場合は専門業者への依頼がおすすめです
自分で納骨する際は、安全性を第一に考えた判断が大切です。

この記事を書いた人

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