遺品整理で100万かかることはある!費用を抑えるためのコツと悪徳業者の見分け方を解説

遺品整理を業者に依頼したとき、「費用が100万円かかる」と言われたら、にわかには信じられない人が多いのではないでしょうか。「さっそく悪徳業者に引っ掛かったか?」と早々に後悔する人もいるかもしれません。しかし実際に、悪徳業者でなくても、遺品整理で100万円の費用が発生することがあるようです。

ここでは遺品整理に100万円という費用の実態とその理由や、費用を抑えるためのコツ、悪徳業者の見分け方について解説していきます。

こんな人におすすめ
  • 遺品整理で100万かかることはあるのか知りたい
  • そもそも遺品整理の費用相場はどれくらいか知りたい
  • 遺品整理の費用を抑えるコツを知っておきたい
目次

遺品整理で100万円かかる理由とは?

遺品整理費用は一般的に、整理する建物の間取りによって算出されます。加えて作業にかかった時間や作業人数、荷物の量やさらには住居環境、オプションサービスを依頼した場合はその分も費用に追加されるのが通例です。荷物の量が想定より多かった場合は、卓上の計算通りにはいかないこともあるでしょう。

それにしても遺品整理費用が100万円というのはあまりに高額過ぎて、悪徳業者ではないかと疑うのはしごく当然のことです。しかし、100万円の費用が発生することは、実はあり得ない金額ではありません。

遺品整理が100万円かかる理由を知るために、まずは遺品整理の費用相場から解説していきましょう。

遺品整理の費用の相場を理解しよう

遺品整理費用の100万円が妥当かどうかを知るには、まずは遺品整理の費用相場を理解することです。相場を知らないまま業者に依頼して、100万と言われてびっくり!という人は多くいます。冒頭でも触れましたが、遺品整理にかかる費用は、建物の間取りである程度の費用を想定することは可能です。

遺品整理の費用が、主にどのような条件で算出されるかの規定はありません。そのため、業者によって設定される費用は異なります。一般的な費用の算出条件は以下の通りです。

  • 間取り(広さ、数)
  • 作業人数
  • 作業時間
  • 荷物の量
  • オプションサービス

遺品整理業者で設定されている、一般的な間取り別の費用相場を見てみましょう。

間取り費用相場
1LDK70,000円~200,000円
2LDK120,000円~300,000円
3LDK170,000円~500,000円
4LDK220,000円~700,000円
5LDK270,000円~800,000円

上記の金額は、あくまで一般的な間取りに対する費用相場です。業者によって相場は異なりますので、上記は目安としてお考え下さい。これに上にある条件のように、実際に作業にかかった人数や時間、荷物の量、オプションを依頼すれば当然その分上乗せされます。

遺品整理で100万かかる可能性がある人とは?

実際に、遺品整理で100万円と言われる可能性がある人がいます。あくまで一例として、可能性のある人を挙げてみましょう。

  • 遺品整理の費用相場を知らない
  • 高額のイメージがあり提示された金額を受け入れてしまう
  • 悲しみの最中での遺品整理で浸け込まれる

【遺品整理の費用相場を知らない】

やはり、遺品整理の相場がどのくらいか知らないと、不正請求される傾向があります。相場を知らない理由として、遺品整理業者を1社だけで決めているというケースです。1社だけだと費用相場を知ることはできません。

【高額のイメージがあり提示された金額を受け入れてしまう】

「遺品整理は高額になるもの」という固定観念がある人も少なからずいるのです。そのため、例え100万と言われても「やっぱりそうなるかもな」と納得してしまいます。

【悲しみの最中での遺品整理で浸け込まれる】

基本的に遺品整理は、気持ちの整理がついたときに行うのが理想的です。しかし、期限が決まっている相続の諸手続きなどがあると、必要に駆られて悲しい最中、気持ちの整理が付いてない状態で遺品整理を行ってしまうこともあるでしょう。そういう気持ちのときは、冷静な判断ができないものです。その心の隙間に浸け込まれるケースも多くあります。

遺品整理で発生する追加費用の要因

遺品整理では通常の仕分けや荷物の運び出しに加えて、遺品の買取りや供養などを依頼する必要も出てきます。当初予定に入れてなかったことでも実際に作業を始めてみると、こうしたことがよくあるのです。

そうした場合に利用できるのが、遺品整理業者ならほとんどの業者で提供されているオプションサービスがあります。オプションサービスは、通常の遺品整理や搬出作業に加えてオプションでそれ以外の作業をお願いする場合に利用できるサービスです。

主には、遺品の買取りや供養・お焚き上げのほかに、エアコンの取り外しやハウスクリーニングなど多岐に渡ります。以下に、一般的にあるオプションサービスの一例と費用相場を見てみましょう。

オプション費用相場
ハウスクリーニング20,000円~60,000円
特殊清掃30,000円~
害虫駆除10,000円~50,000円
エアコンの取り外し5,000円~20,000円
自動車の廃車手続き6,000円~10,000円

上記はほんの一例ですが、これらのオプションを多く利用すればした分だけ追加費用が発生します。厳密に計画を立てて業者に依頼しても、実際の作業の過程でどうしてもオプションを追加せざるを得ない状況になることもあるので、事前にできることはしておく対策が必要です。

しかし、別で業者に依頼するよりは費用は抑えられるので、オプション利用は結果的にお得になります。

実際に遺品整理で100万かかったケース

ここでは、実際に遺品整理を依頼して100万かかってしまったケースをご紹介します。これは、悪徳業者ではなく適正な価格として100万かかってしまったケースです。

  • 部屋がゴミ屋敷状態
  • 孤独死などで特殊清掃が必要
  • 2階など上の階からの吊り下げ搬出が必要
  • 遺品の量が多く仕分けもされていない状態

特に、上位の項目にある「ゴミ屋敷状態」「孤独死で特殊清掃」は、費用が100万になっても致し方ない状態です。ゴミ屋敷の場合、部屋の中がほとんどゴミで埋め尽くされていて、足の踏み場もない状態はそれだけでも作業に長い時間を要します。

作業人数も、1人や2人では到底時短を狙うのは不可能です。孤独死などで特殊清掃が必要になったケースでも、部屋には著しい汚れや悪臭で衛生的にも遺族だけでの清掃はおすすめできません。このようなケースは、どうしても遺品整理業者の特殊清掃が必要になります。

また、2階からの大型家具などの吊り下げ搬出も、吊り下げるための特殊車両が必要です。吊り下げの際に、物が揺れて壁などにぶつけて損傷するのを防ぐためにもゆっくり慎重に下ろしていく必要があります。そのため時間も人数も増えるので、高額は免れません。

業者に依頼する前の、事前整理が行われていないケースもあります。仕分けもされていない状態で依頼してしまうと、遺品整理業者は親族にいる物かいらない物かを、都度確認する必要が出てくるのでそれだけ時間がかかるのです。結果、100万かかったケースもあります。

特殊な場合を除いては、ある程度は自力で整理は済ませておきましょう。

遺品整理の費用を抑えるためのコツ

ここまでのお話で、通常の作業でも費用に幅がありオプションを利用するとさらに追加費用が発生することが分かりました。状況によっては、100万円かかることもあり得ることがお分かりになったと思います。

では、遺品整理の費用をできるだけ安く抑えるためにはどうすればいいのか、そのポイントを抑えておくためのコツをご紹介していきましょう。

業者選びで抑えられる費用のポイント

できるだけ費用を抑えられるようにするためにも、遺品整理業者を選ぶ段階で気を付けておくべきポイントがあります。以下に、主なポイントを挙げてみました。

  • 複数の業者で見積もりを取る
  • 依頼前に自力でできる範囲の整理をしておく

複数の業者で見積もりを取ることは、適正な価格を判断するためにも必要なポイントです。料金設定は業者間で異なるので、少なくとも3社~5社程度見積もりを取ると大体の費用相場が見えてくるでしょう。

そして、できるだけ遺品整理業者に作業を一任するのではなく、依頼前に自力で整理をしておきます。その上で遺品整理業者には、不用品の回収だけしてもらうとか運搬だけお願いするなど、業者の作業範囲を決めておくと費用を抑えられて安心です。

自分でできる遺品整理の方法とその効果

遺品整理の費用を抑えるコツは、事前の整理が必要不可欠です。これをしておくのとしないのとでは、その後の作業効率が大幅に違ってきます。

自分で遺品整理をする方法は、大きく「いる物」「いらない物」に分けてその中から買取に出せる物は別にしてまとめておきます。明らかにゴミと判断できるものは、住んでいる地域の自治体のルールに則って決められた方法で捨てましょう。

捨てていいか判断が難しい物も出てくると思います。そうした場合は「保留する物」としてダンボールにまとめて入れておいてください。後日、親族や相続人と相談しながら処分を決めます。

これだけ済ませておくだけでも、業者に依頼したときに提示される費用が抑えられている効果に驚くこともあるので試してみてください。

複数業者の相見積もりで得られるメリット

前述しましたが、遺品整理業者を依頼するときはできるだけ複数業者に相見積もりしておきます。複数の見積もりを比べて、一番安い業者を選べるからです。ただし安さだけで選ばないようにしてください。見積もりをお願いするときは、できるだけ現場で立ち合いのもと見積もりを取ってもらいましょう。

間違っても、電話だけのやり取りで安いからと即決しないように注意してください。お互いの顔を見ないで取引するのは、どのような場合でも危険が伴います。必ず立ち合いのもとで、その場で見積もりを取ってもらうようにお願いしてみましょう。

見積もりの内訳にもよく目を通して、追加費用の有無や買取サービスがあるかなども聞いておきます。買取サービスがあると、遺品整理にかかった費用から買取額を差し引いてくれるので、費用を安く抑えられてお得です。

遺品整理の悪徳業者の見分け方

遺品整理業者には、残念ながら優秀な業者ばかりではありません。不当に高額請求してくる業者は多数存在します。遺品整理業者は「一般廃棄物収集運搬許可証」を持っていれば開業できるのです。「遺品整理士」という民間資格を持っていれば尚いいですが、これは必須ではありません。

そのため比較的参入しやすい業界です。さらに日本は戦後、核家族化が進み3世帯同居の家庭が著しく少なくなりました。それに伴い遺品整理のようなやむを得ない作業が必要になったとき、人手不足や整理の仕方が分からないなどでどうしても業者の手を借りることになります。そこに浸け込む業者がいるのです。

では、悪質な業者に騙されないためにはどうすればいいのか、その方法を紹介しましょう。

悪質な業者に騙されないためのチェックリスト

遺品の適切な整理方法を知らないことが多いので、それを利用してもっともらしい理由を付けて高額請求する業者が後を絶ちません。このような悪質な遺品整理業者を見分けるためのチェックリストを見てみましょう。

  • 見積書は社印・社判は押されているか
  • 追加料金なしの記載があるか
  • 作業員の身なりはきちんとしているか
  • きちんとした名刺を持っているか
  • 見積もりをちゃんと見ているか
  • ネットでの口コミや評判が良いか

悪徳業者の出す見積書は、社印や社判すら押されていない伝票が多いです。個人事業主レベルに多い傾向があります。きちんとした遺品整理業者は、見積書には社印と社判が押されており、正式な作業項目と条件、注意事項も記載されている重要書類らしい重みのあるものです。

追加料金の詳細も書かれていないような、非常に簡易的ないわゆるペラペラ伝票を提示してくる業者は間違いなく悪徳業者になります。

作業員の身なりも、みすぼらしい汚れた作業着ではそれだけで印象も良くありません。中には対応が非常に希薄で、見積もりも見ないで雑な対応の場合もあります。そういった業者には依頼はしないことです。

依頼する前に、ネットで口コミを見てみるのも見極めの判断材料になります。

口コミや評判を参考にする重要性

インターネットやチラシなどで、遺品整理業者を依頼した人の口コミや評判は確認しておくと業者選びで役立ちます。人がネットなどに口コミや評判を書く動機としては、「非常に良くしてくれた」または「とても対応が悪かった」などで、その評価がはっきりしているということです。

そのため、悪徳業者だった場合の口コミはおびただしい数の悪い評価が親の仇ぐらい出てきます。ただし、注意していただきたいのは、口コミサイトには悪徳業者であっても、わざわざお金を払って5評価の優良評価を得ている現状があるということです。

ただの営利目的でここまでやる業者もいますので、口コミや評判はあくまで参考程度に見ておくといいでしょう。

悪徳業者とのトラブルを未然に防ぐ方法

営利目的の口コミサイトに振り回されないようにするのも重要なことですが、悪徳業者とのトラブルを未然に防ぐためには、以下の点に注意して確認しておきましょう。

  • 出張訪問で見積もりを依頼する
  • 安さだけで選ばない
  • 追加料金やオプションの有無を確認する
  • 相見積もりを取る
  • 対応が丁寧で敏速
  • 一人では立ち会わない

見積もりの段階でしっかりした打ち合わせができていないと、悪徳業者でなくても費用が高額になることはあり得ます。上記のような点をしっかり確認するようにしましょう。

現場で見積もりを取ってもらうことはもちろん、一人では立ち会わず親族と一緒に立ち会います。その際、女性だけより、男性も2~3人いた方が安心です。女性だけだと浸け込まれやすくなるので、親族に協力してもらいましょう。

【まとめ】遺品整理で100万は悪徳業者でなくてもあり得る

今回は、遺品整理の費用が100万かかることがあることと、費用を抑えるコツや悪徳行者の見分け方などをご紹介してきました。

特殊清掃が必要になるケースを除いては、事前に自分たちで整理しておく方法がおすすめです。先に、法的に必要な届け出や手続きを済ませたら、そのほかの作業はほとんどの場合、始めるタイミングの決まりはありません。

もう1つは、遺品整理業者にお願いする作業を前もって決めてしまう方法です。「不用品やゴミの回収だけ」とか「大型家具の搬出だけ」のように、業者の作業範囲を決めて見積もりを取ってもらいます。この方が、余計な項目があるとすぐ分かりますよね?

少しでもご参考になれば嬉しいです。

この記事を書いた人

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