「遺品整理したいけど、故人との思い出が詰まっていてなかなか処分できない」
「部屋の明け渡し期限が近いので早急に処分したいけど、物が多すぎて整理が追い付かない」
このようなお悩みをお持ちの方も多いと思います。特に故人が好きで集めていたコレクター品などがある場合、大きさや量の多さで処分の仕方が定まらないということもあるでしょう。
このような遺品整理のお悩みは、買取業者に買い取ってもらうという処分方法もあります。遺品によっては高く売れる物もあるので、遺品整理にかかる費用を抑えられるメリットもあるのです。
ここでは、遺品整理で高く売れる物や買取の種類と買取で気を付けるべき注意点などをご紹介していきます。
遺品整理で高く売れる物7選
遺品の中には価値が分からない品でも、見る人が見れば「これは、ぜひ欲しい!」といわれる品も出てきます。ここでは、遺品整理の際に出る物で高く売れる物を大きく7つに分類してみました。
思わぬ高値が付く場合もありますので、参考になさってみてください。
- 貴金属・宝石
- 着物
- 骨董品・美術品
- ブランド品
- カメラ
- 家具・家電
- コレクター品
これらは意外と定番だったりしますので、それぞれを詳しく解説していきます。
貴金属・宝石
指輪・ネックレス・ブレスレットなど、アクセサリー類も買取の対象になります。故人が好きで身に着けていたと思うとなかなか処分できない方も多いでしょう。しかし昔の物でデザインが古いとかサイズが合わないなどの場合、置いておいても使い道がないなら買い取ってもらった方がいいです。
遺品を買い取ってもらうことで、その分遺品整理費用が抑えられます。引き出しの中で何年も放置されるよりは好きで使ってくれる人がいたら、それこそ価値があるというものです。
もちろん、親族や友人などに貰ってもらうのも1つの方法になります。
着物
着物は、素材によっては高く売れる物もあります。素材だけでなく、その着物が製作された年代や作家によっても高値が付くので、価値がある物か分からないときは査定してくれる業者に依頼した方がいいです。
着物が複数枚ある場合、1枚1枚丁寧に査定してくれる業者を選びましょう。着物で大島紬や西陣織、友禅染などは伝統工芸品として美術品扱いになるほどの高級素材です。年代や有名作家の着物だった場合は、多少のほころびがあったとしても高額で買い取ってくれる可能性があります。
価値が分からない場合は、誤って捨ててしまうと非常に勿体ないです。一度査定に出して、価値がないものを処分するようにすると間違いありません。
骨董品・美術品
壺や花瓶、茶道具などは、高く売れることが多い品です。また、絵画などの美術品も高値で売れることもあり、買い取り業者でもできるだけ多く買い取りたい代物だったりします。
品物自体が高く売れるだけでなく、それらの品が仕舞われていたケース、例えば桐箱や杉箱だった場合、骨董品や美術品と合わせてかなりの額に跳ね上がることもあるのです。査定に出して、高額が付いた物は迷わず買い取ってもらいましょう。
ブランド品
ブランド品の有名なところでルイヴィトンやエルメスなどのバッグや財布も、高額買取される可能性がある品です。これらのブランドは、保存状態が良ければ良いほど高く売れます。また食器類もデザイン性や品質に優れている物は、高い価値があるものです。
年代が古い物でも、品物によってはアンティークとして高く評価されることもありますので、処分の際には注意が必要です。
カメラ
カメラはコレクター品にも分類されますが、年代物を始めデジタルカメラでも需要のあるものがあります。デジタルの一眼レフカメラの場合だと、このカメラ自体がそもそもの定価が高いです。
一番安くて数千円程度ですが、プロが使うようなモデルになると数万円は下りません。カメラのメーカーでも人気のあるところでキャノンやニコンなどの一眼レフカメラは、買い取り業者も喉から手が出るほど欲しい代物です。そのため、かなり高い価格で買い取ってもらえます。
機種によっては数十万ほどの値が付くこともあるので、カメラに詳しくない方は必ず査定してもらってください。
家具・家電
家具や家電は不要になるとリサイクルや粗大ゴミで手っ取り早く処分する方も多いですが、一般的に手数料がかかります。買い取ってもらう方が、損はないでしょう。
家具の場合、和箪笥や民芸箪笥はかなり需要があるので高額が付くこともあり得ます。また家電の場合では、人気メーカーで機能が高いものや多機能家電などは、高い買取額が望めるでしょう。
家電の場合は、大体購入から3~5年以内であれば売れる可能性も高くなります。ただし、もともとの定価が安いものは買取額も低くなるので、遺品整理の費用を抑えたいならそれなりの価格だったものの方がお得です。
コレクター品
前出のカメラもそうですが、そのほかにもフィギュア・切手・古銭・プラモデルなどは高額買取が期待できる品物です。意外なところで30代以降の人が子どものころに集めたおもちゃなども、高額で買い取ってもらえる可能性があります。
ただのおもちゃに見えても人形や鉄道模型などの場合、特に人気が高かったものになると、今はもう非売品になっていて手に入らなくなっているものもあります。または発売当時の記念品とか、限定品だった場合もかなり希少価値があるので、高額査定される可能性があり侮れません。
遺品整理の買取する種類
遺品整理で買取りに出す場合、意外と多くの買取り業者があるものです。以下は、主な買取の種類を5つまとめました。
- リサイクルショップ
- フリマアプリ
- 遺品整理業者のオプションサービス
- 買取専門業者
- 便利屋
既に利用したことがある業者もあるかと思います。まだの種類があるなら、参考になさってみてください。
リサイクルショップ
私もよく利用するリサイクルショップです。私の場合、遺品の持ち込みは経験ありませんが、子供が小さいときに着ていた服やおもちゃなどを持ち込んで買い取ってもらったことがあります。
子供の服の場合、人気ブランドのGapやミキハウス、GUで、まとめてでしたが2,200円で買い取ってもらえました。これはかなり嬉しかったですね。
遺品整理で出た物なら、もっと高額を期待できる物も潜んでいることも考えられます。リサイクルショップでも遺品の買取りはしてもらえますので、一度持ち込んでみてください。
フリマアプリ
フリマアプリは手数料はかかりますが、直接売買できるので人気のアプリです。よく知られたところで「メルカリ」などは、売れやすいので人気があります。
ただ、出品作業に時間がかかるのがネックです。出品するための写真撮影や問い合わせの対応、売れたときの商品の包装、梱包、そして発送作業まですべて自分でやることになります。
部屋の明け渡しなどで急ぐ必要がある場合には、この方法はおすすめできません。余裕を持って利用する方がいいでしょう。
遺品整理業者のオプションサービス
遺品整理業者では基本の整理のほかに、依頼者が自由に選べるオプションサービスを展開しています。遺品整理業者のオプションで買取りを依頼するメリットは、遺品整理と買取りを一度で済ませられる点です。
買取サービスをしていない遺品整理業者もまれに存在しますが、その場合は遺品整理のあとに買い取り業者を探してそちらにまた依頼しないといけません。
遺品整理業者を選ぶ場合は、買い取りサービスを行っているかの確認もしておきましょう。
買取専門業者
買取りを専門に行っている業者に依頼するメリットは、専門知識を有していることです。そのため、取り扱う品物は遺品に限らず、あらゆる品物を適正価格でしかも高額買取が期待できます。
特に着物や骨董品、切手や古銭などは高額買取されやすいので、一度は利用してみるといいでしょう。買取専門業者は、店舗に持ち込まなくても出張買取も行っているので、売りたい物が多い場合や店舗に出向く時間が取れない場合に便利です。
便利屋
よく新聞のチラシなどにも入っているのを目にした方も多いと思います。便利屋のいいところは、サービスが遺品整理や買取りなど対応できることが限られていない、サービスの手広さがあるところです。
業者によりますが、遺品整理や買取り・回収だけでなく、整理後のハウスクリーニングや遺品の供養までしてくれる業者も存在します。
物件の解体や売却の相談ができる場合もありますので、物件の処分も考えている人は一度相談してみてください。
遺品整理で買取するときの注意点
遺品整理で買取りを利用することは、遺品整理にかかる費用を抑えるメリットがあるのでおすすめですが、注意すべき点もあります。
- 勝手に買取依頼しない
- 重要書類等の管理
- 見積もり後の追加請求
- 高額買取にこだわらない
- 業者選びに焦りは禁物
- 買取と回収の同時進行
それぞれの注意点を、詳しく解説していきましょう。
勝手に買取依頼しない
まず、遺品は「故人の遺産である」ということを深く認識しておきましょう。遺品には相続の問題が大いに関係してきます。特に、故人と同居していた遺族の場合、別居している他の親族より、自分が一番よく知っていると思いがちです。
しかし、そういった判断で勝手に買取に出したあとで、相続放棄できなくなり親族間でトラブルに発展してしまうケースもあります。買取だけでなく、ゴミとして処分する行為も勝手な判断では絶対にしてはいけません。
処分したものの中に、相続に関する記述のある書類も入っている可能性もあります。遺品整理にはこうした細かいところに気を付けて、慎重に整理していきましょう。
重要書類等の管理
前述したように、遺品は遺産であり親族間の*相続の分配も定められている事柄が多いので、書類関係は入念なチェックが必要です。
*相続の分配について
相続の分配とは、亡くなった人との関係(続柄)により、相続の優先順位が決まっています。
【相続の優先順位】
1:配偶者(婚姻関係のある夫・妻であること。事実婚・内縁関係は×)
2:子
3:親
(配偶者や子が既に亡くなっている場合、孫が相続人・子と孫がいない場合、親が相続人・親が亡くなっている場合、祖父母が相続人となる)
4:兄弟・姉妹
相続人が複数いる場合や、遺言書の指定がない場合は以下のように分配されます。
故人との続柄 | 相続される分配割合 |
---|---|
配偶者・子の2人 | それぞれ1/2ずつ相続 |
配偶者・親の2人 | 配偶者2/3・親1/3を相続 |
配偶者・兄弟の2人 | 配偶者3/4・兄弟1/4を相続 |
また、後から遠方に相続人がいることが発覚することもないとはいえません。相続人に当たる親族が何人いるか、予め把握しておくようにしておきましょう。
見積もり後の追加請求
遺産整理を業者に依頼するときに特に気を付けておくべきなのは、見積もりを取った後に追加請求してくることです。全部の業者がそうするわけではありません。稀に、見積もり無料と謳っていても後から理由を付けて追加請求するという、いわゆる悪徳業者の存在も意識しておくべきです。
見積もり依頼するときは料金の内訳や追加料金の有無は、必ず確認しておきましょう。見積依頼は、1社だけで判断せず、少なくとも3社以上で比較検討してください。複数の見積もりで遺品整理にかかる大体の費用相場も把握できます。
高額買取にこだわらない
遺品整理は、お金も時間も労力もかかるかなり大変な作業です。それだけに売却するなら、できるだけ高額買取してくれる業者を選ぼうと考える人も多いと思います。
高額で買い取ってもらえたら、遺品整理にかかる費用を安く抑えられる事実は否めません。しかし、高額で買い取ってもらおうとすると、それなりに依頼する前にどれがいくらぐらいの値が付くか、高値が付きそうな遺品を選別するのに時間と労力がかかります。
また、故人が大切にしていたからなるべく高く買い取ってもらいたいという思いもあるでしょう。しかしそれも、遺品整理の大きな手間となってしまうので、高額買取にはあまりこだわらずに進めていく方が速く整理できます。
部屋の明け渡し期限が迫っていたり、相続の分配で親族との話し合いがあったりしても、高額買取にこだわるあまり余計なところで時間をかけてしまうのは本末転倒というものです。
業者選びに焦りは禁物
「遺品の数が多いのでできるだけ早く整理しておきたい」などの理由で、遺品整理業者選びに焦りが生じることもあると思います。しかし、これは少し危険な行為なので焦らずにじっくり行うことが先決です。
なぜ、焦りは禁物か?というと、遺産整理はただでさえ時間と労力がかかる作業な上に、大切な家族を亡くした悲しみが癒えていないため各種手続きの次に手間のかかる作業の1つです。
それだけに、通常時より判断能力が鈍ってしまっていることもあります。各種手続きがやっと終わり、あとは遺品整理だけだと思うあまり焦ってしまうと、高額買取どころか高額請求されるという悪徳業者に引っ掛かる可能性も否定できません。
遺品整理は、気持ちが落ち着いたときにじっくり故人を忍びながら行う方が安全です。
買取と回収の同時進行
前述の「焦りは禁物」というのと関連しますが、遺品整理を行うときに買取と回収の同時進行は、これも危険な行為の一種です。早く遺品整理を済ませたいと焦って、買い取りといらない物の回収を同時に進行させると、誤って大切な遺品を処分してしまうケースも少なくありません。
また、遺品整理業者側でもこの買取と回収を同時に行ってくれる業者も存在します。これは依頼者にとっても有難く便利なサービスですが、多くはこうした同時進行はその品物に対する知識が薄い傾向にあるのです。
そのため、遺品によっては本来なら高く売れる可能性のある品があっても、知識が薄く乏しいために安く回収されてしまうという残念な結果になることもあります。
こうした事態を避けるためにも、高額買取したい意向がある場合は品物に関してそれに特化した知識を持った買取専門業者に依頼することがおすすめです。家具・家電や貴金属に美術品など、各ジャンルに強い専門知識がある業者なら安心してお任せできます。
遺品整理を買取する意味は?メリットを紹介
ここで遺品整理を買取という形で処分する意味について、考えてみましょう。
- 買取額でかかる費用の負担軽減
- 価値が分かる人に使ってもらうことで本来の価値がある
買取りが負担軽減になるという単純な意味から、本来の価値になるという深い意味まであります。意外と遺品整理は奥の深いことかもしれませんね。それぞれを詳しく解説していきましょう。
買取額でかかる費用の負担軽減
単純な意味といっても買取額が想定外に高かった場合は、遺品整理にかかる費用が軽減どころか品物によっては実質0円になることもあるので、侮れません。
ただのおもちゃに見えたり、言い方は悪いかもしれませんが、価値を知らないとガラクタに見えることもあるでしょう。しかし、買取専門業者などで依頼すると「え?こんなものが?」と思う物に高値が付くことも往々にしてあります。
遺品を売り物にすることに抵抗がある人もいらっしゃるでしょう。しかし費用と時間と労力がかかる遺品整理には、むしろ必要不可欠になるともいえないでしょうか。
価値が分かる人に使ってもらうことで本来の価値がある
何より、買い取られた遺品はまたその品が好きで集めているコレクターにとって大変価値があるので大事にしてもらえます。その品物が好きな人にとっては、例え古い物で多少の傷があっても、「それさえ先代が大事にしていた証」と受け取ってくれるのです。
古かろうが傷があろうが、それさえ希少価値がある。こんな有難いことはありませんよね。そのような意味からも、遺品整理を買取という形で処分するのは、誰にも触れられずに埃をかぶってしまうより、その品物本来の価値を見出せる絶好のチャンスとなります。
【まとめ】遺品整理の買取は故人の思いをつなげられる
今回は遺品整理の買取りについて、高く売れる物と買取り業者の種類、そして買取する意味についても解説してきました。
遺品は大切な家族が残した品物であるため、おろそかにはできない大切な作業です。誤って重要な物まで捨ててしまわないように、遺品整理は各種手続きが済んだ最後の作業にしてください。
お金もそうですが、物には使われてこそ価値があるものと思います。それが遺品であるならなおさらです。私は、遺品の買取りは故人の思いをつなげられる1つの供養の仕方であるとも感じています。
もちろん、だからといって思い出が詰まったものをみすみす売却する必要はありません。親族の間で形見分けするのもそれこそ意味があるでしょう。ただ遺品は、数も多かったり大きさもそれなりにある物になると、場所の問題もあってそうそう取っておけないことにもなってきます。
そうしたときに、買取は1つの手段としてよく吟味した上で利用してみてくださいね。