遺品整理業者ってやばいの?!実際にあったトラブルと良い業者の見分け方

「仕事の都合でなかなか遺品整理する時間が取れない」
「実家が遠方なため、遺品整理の予定が組めない」
「業者に遺品整理を頼みたいけど、やばい業者もいるらしいからためらう」

このような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

近年、遺品整理業界は急成長しているため、業者の数はうなぎ上りに増加しています。そして、依頼する側も遺品整理は人生でそうたびたびあることではないため、遺品整理をしてくれる業者がいることは大変ありがたいことです。ところが、そんな依頼者の無知・無力さにつけ込むやばい業者が多いことも否定できません。

ここでは、やばい遺品整理業者がいる理由や実際にあったトラブル事例、そして優良業者の見分け方を紹介していきます。

この情報を参考にしてほしい人は?
  • これから遺品整理を行う予定がある方
  • 遺品整理を業者に依頼しようと検討している方
目次

遺品整理業者が「やばい」といわれる理由

大切な遺品を整理する上で、頼りになる遺品整理業者が多いことはとても心強いものです。ところが、そんな遺品整理業者にも一定数「やばい」といわれる、いわゆる悪徳業者が多いことも事実としてあります。悪徳業者がやばい背景にはどのような理由があるのかをご紹介しましょう

やばい業者の理由
  • 近年の高齢化と核家族化の増加
  • 業者は資格が必須ではない
  • 遺品整理は利益アップしやすい
  • 業界の規制緩和

主には、上記4つの理由が挙げられます。それぞれの詳しい理由を解説していきます。

近年の高齢化と核家族化の増加

戦後の3世帯同居家族が減少し、ついで少子化も伴い日本は高齢化社会へと変化しました。生活環境の変化においても高齢者と住まいを同一する家族が減少し、核家族化も増加しています。このような背景から、遺品整理も容易に行える状況ではなくなったことが一つの要因と考えられるでしょう。

下の表では、2013年~2017年の4年間で遺品整理サービスにおいてのトラブルの相談件数です。(独立行政法人 国民生活センター調べ)

年度件数
2013年73件
2014年109件
2015年90件
2016年114件
2017年105件

この相談件数は、亡くなった親族等の遺品整理、処分作業を依頼したものと、廃品回収サービスで遺品を処分した場合を含んだ相談件数です。明らかに初年度より相談件数が徐々に上がっているのがわかります。これも、高齢化や核家族化が増加した時代背景が影響しているのでしょう。

業者は資格が必須ではない

遺品整理をする上で、高い知識と経験が物を云う業界でもあります。しかし、遺品整理を行うための資格はあるのですが、必須ではありません。そのため、比較的この業界は参入しやすいのです。

そのため、経験が薄くスキルもそれほど高くない業者が多く存在します。このような業者は、依頼者の希望に添えるサービスが提供できません。これにより良い業者と悪徳業者の区別がしにくくなっています。結果、依頼者に不安を抱かせる要因になっているといえるでしょう。

遺品整理は利益アップしやすい

大切な家族を失い悲しみの中で遺品整理を行う遺族にとっては、故人が使っていた物品に対する執着が強い傾向にあります。それゆえ、いるかいらないかの判断が難しく処分方法が決められない人もいるでしょう。遺品整理業者には一定の信頼を置いて依頼するので、悪徳業者はこの信頼につけ込んでくるのです。

もっともらしい理由をつけて、貴金属など価値のある物を狙う悪徳業者も多く存在します。このようなことから、遺品整理は非常に利益を上げやすいというのが、やばい理由の一つになっているのです。

業界の規制緩和

遺品整理業界は、その業務を行うための規制がそう厳しくありません。例えば、金融機関は「銀行法」、放送業界は「放送法」といった業法があります。ところが、遺品整理業者にはその業法がないのです。定義が確立されておらず、それを取り締まる業法もないので、無許可で営業する業者や高額の不当請求などのトラブルを生む原因になっています。

遺品整理で実際にあった「やばい」トラブル事例

やばい理由でも紹介したようなさまざまな要因から、実際にあったトラブル事例をご紹介します。上げれば切りがないのですが、中でももっとも多い事例を下記にまとめました。

  • 窃盗
  • 不当な高額請求
  • 不法投棄
  • 無許可営業
  • 不当な買取価格
  • 遺品の扱いが雑
  • 必要な物まで捨てられた

以上の、やばい業者によってトラブルにあった依頼者の事例をそれぞれ詳しく解説しましょう。

窃盗

遺品整理で特に多いトラブル事例の一つに、「窃盗」があります。窃盗が多い理由は、整理を行うために業者が自由に家の中を出入りできるため、遺族の目を盗んで故人が持っていた現金や貴金属などの貴重品を盗むのです。

ましてや、遺族が故人と同居していなかった場合、故人の持ち物を十分には把握していないことも一因になります。そのため盗まれても気付かないといった点も十分に考えられるでしょう。正に、核家族化の増加に伴い起こりやすい例です。

不当な高額請求

遺品整理後に見積もりにはなかった不当な高額請求をされたというのは、残念ながらよくあるトラブル事例の一つです。まず、正当に業務を行う業者なら見積もりにない作業や追加料金を作業後に請求することはありません。

悪徳業者の場合ある決まった手法として、高額請求は必ず「作業後」にしてくるということです。作業後であれば、依頼者も断りにくくなるという理由があります。

もう一つは、最初の見積もりの段階では非常に安価で「手ごろな価格」で提示してくることです。依頼者の弱みは、この「安さ」に惹かれることが多い傾向にあります。悪徳業者もこの弱みを知っているので、契約してもらうために安い金額を提示するのです。

そして作業後に、「思ったより時間がかかった」「遺品の量が想定外に多かった」などを理由に、追加料金が発生したといってきます。

こうしたトラブルを避けるためには、最初の見積もりの段階で追加料金の有無やオプションの内容をよく確認しておき、できれば「これ以上はやらなくていい」という一定の作業領域を依頼者側も決めておくといいでしょう。これに同意してくれる業者、なおかつ「これ以上は作業、請求はいたしません」という念書を書いてもらうなど厳重に取り引きをしておくと、よほどでない限り不当請求は回避できると考えられます。

不法投棄

遺品整理業者の中には、遺品整理で発生した不用品の処理をする際、細かなゴミの分類や手続きをしたくないために、空き地や山奥などに不法投棄する悪徳業者も後を絶ちません。不法投棄された物の中に、依頼者が分かるような情報があった場合、依頼者が責任を問われることもありますので注意が必要です。

このようなトラブルを起こさないためにも、なるべく遺品整理には立ち会うようにしましょう。業者によっては立ち合い不要とする業者も存在します。これは、なかなか時間が取れなかったり遠方ですぐに現地に向かえなかったりする依頼者にはとても有難いサービスですが、こうしたトラブルが潜んでいる場合もあるので、慎重な業者選びが必要です。

無許可営業

遺品整理業者がやばいといわれる理由でもご紹介しましたが、遺品整理業者は資格は必須ではありません。資格とは「遺品整理士」といった民間資格が挙げられますが、これは必ず必要とは定義されていないのです。

しかし、遺品整理とはいえ一般家庭の遺品整理には、「一般廃棄物収集運搬許可証」は必ず持っていなければいけません。無許可というのは、この許可証を持っていない業者がいるということです。この許可証なくして不用品の回収はしてはいけないことになっています。

遺品整理を依頼するときは、必ずこの「一般廃棄物収集運搬許可証」を保有しているかの確認はしておきましょう。正当に業務を行っている業者なら、依頼者から許可証の提示を求められなくても例えばホームページに許可証を取得している旨の記述が必ずあるはずです。

ホームページや広告を見た際には、まずこの許可証を持っているかの確認は先にしておいてください。

不当な買取価格

遺品整理業者には、買い取りサービスを行っている業者も存在します。例えば、故人が好きでコレクションしていた物などは、素人目にはその価値はわからないものもあるでしょう。悪徳業者は、そこを突いて本来その品物の価値からはあり得ない安い金額で買い取り、高い金額で売るという不当なやり口で利益を得ます。

こうしたやり口は、依頼者が物の価値がわからないことを逆手に取った手法ですが、多くは遺品整理にかかる作業料金と相殺して遺品整理の作業料金を安くしてくれるサービスとして展開しています。そのため依頼者にとってはメリットがあるために、喜んで買い取りをお願いしてもらえるので業者にとっては利益を不当に上げやすい原因になっているのです。

遺品の扱いが雑

家族にとって思い出のある品や、重要な書類などを雑に扱う業者もいます。大きな家具や家電などは搬出、運搬時に遺品はもちろん家の床や壁を傷付けないようにマットにくるんだり、包装したりと細やかな神経を使うものです。

しかし、仕分けがいいかげんで重要書類をゴミと一緒に捨ててしまうなど、あってはならない作業をする業者もいます。この場合、その業者が大雑把な性格だったりすると、故意でなくても誤って破損したり、紛失したりなどのトラブルも十分起こり得る問題です。

こうした事態を避けるためには、取っておきたい物や特に重要書類などは事前に保管して現場には置いておかないように管理しましょう。

必要な物まで捨てられた

遺品の扱いが雑なことと比例しますが、重要書類や思い出深い家具や家電が後日ないことに気付き、トラブルに発展したケースも珍しくありません。作業員に「これは捨てないように」と指示したものが、作業員全員にその連絡が行き届いておらず、別の作業員によってほかの不用品と一緒に処分されてしまうというケースです。

遺品がなくなったことに気付くのが遅かったりすると、気付いてから処分された物を取り返すのは非常に困難になります。このような事態を防ぐためには、見積もりの段階でこうした事態も想定して、故人の持ち物は必ず処分していいか聞いてくれるよう頼んでおくなどの配慮をしましょう。当日、事前に取っておきたい物があった場合は、そのときにすぐ分けて置いておくなどの敏速な対応が必要です。

良い遺品整理業者はここが違う!決定的な見分け方

事前に持って行かれては困ると思える物は取っておくことも重要な方法ですが、良い遺品整理業者を見分けるポイントも知っておくと安心でしょう。

その良い遺品整理業者を見分ける決定的なポイントは、以下の3つです。

  1. 資格・許可証を保有しているか
  2. 口コミや評価を確認する
  3. 見積もりが明確明瞭で丁寧

ここさえ抑えておけば、まず安心して依頼できるといえます。それぞれを詳しく解説していきます。

資格・許可証を保有しているか

やはりダントツで良い遺品整理業者を見分ける決定打は、この資格や許可証を持っていることです。資格の場合は、「遺品整理士」という資格を持っている作業員が在籍しているかの確認をしておきましょう。この資格がなくても優秀な作業員は存在しますが、これを持っているとより安心して依頼できます。

一方、「許可証」は必須アイテムです。遺品整理は一般家庭からの遺品を整理する作業で、不用品は回収していきます。その際に必ず必要な許可証が「一般廃棄物収集運搬許可証」です。遺品整理士の資格がなくても、この許可証は必須ですので、持っていない業者がこれをやると違法になります。

これとよく似た許可証で「産業廃棄物収集運搬許可証」というのがあり、これは飲食店や企業などから出る不用品を回収する作業員が持つ許可証です。この許可証しか持っていないのに、遺品整理のような一般家庭から出る不用品を回収する業者も存在します。このような業者は間違いなく違法業者ですので、事前に許可証の確認は必ずしておきましょう。

口コミや評価を確認する

遺品整理業者や不用品回収業者などは、宣伝媒体として公式ホームページや広告などを出しています。遺品整理業者を選ぶ際にこうした媒体を見る際には、その業者を利用した人の口コミや評価を確認しましょう。

ホームページには、ほとんどの業者で利用者の口コミが掲示されています。良い遺品整理業者を見分ける判断材料になりますので、必ず確認してみてください。

良い口コミだけでなく、悪い口コミにも目を通しておくと、より良い業者選びができます。ホームページではなかなか悪い口コミまでは掲示されにくいですが、口コミサイトSNSGoogleマップなどがよりリアルな口コミがあるものです。

私がよく使うのはGoogleマップですね。業者名や住所などを検索するとその業者の所在地と一緒に、口コミが掲載されています。中でも写真付きで口コミしているユーザーもいますので、より確かな情報が得られますよ。

見積もりが明確明瞭で丁寧

見積もりを出してもらう際に、作業する項目やそれにかかる費用が非常に明確明瞭な業者は信頼できます。

明確明瞭な見積もりの例
  • 何の作業でどのくらい費用がかかるのか
  • そのために作業員が何人必要か
  • 作業時間もどのくらいを想定しているか

こうした記述が不明瞭で内容が薄いと感じた場合は、口頭で必ず上記のような点を尋ねてみてください。きちんと作業する業者であれば、尋ねられたことは必ずごまかさずに明確に答えてくれるはずです。そのときの対応も、良い遺品整理業者であるかどうかの一つの判断になります。

遺品整理業者の被害にあってしまったら?

どれほど被害にあわないように気を付けていたつもりでも、実に巧妙な手口だったりとどうしても免れなかった被害を被ることもあるかもしれません。

ここがポイント!

悪徳業者に引っ掛かったことが明らかな場合は、取り乱したりせずまずは落ち着いてください。そして、「いつ、どのようなときに、何が、どうなったのか」これらを覚えている範囲でしっかり思い出して、紙に書き出してみましょう。書くことで頭の混乱が抑えられ、頭の中を整理できます。

そして書き出された内容を元に、以下の対策を取ってください。

  • 消費者センター
  • 警察

被害にあったらと銘打っていますが、被害にあわれる前、少しでも「何か怪しい」と感じたら、その時点で上記に相談されることも重要です。

消費者センター

まず、被害にあってしまった場合被害にあう前など、どちらの場合でも初めは「消費者センター」に電話することをおすすめします。

消費者センターは、消費者の被害相談のほか消費生活の中でありがちな商品やサービスに関する苦情・問い合わせを受け付けているところです。また、消費者センターは、「国民生活センター」とも連携して相談を受け付けてもらえますので、トラブル前でもトラブル後でも不安なときは迷わず連絡してみましょう。

より相談をスムーズに進めるためにも、業者と交わした契約内容や追加請求があった場合にそれが正当な請求かどうかわからないときは、消費者センターに電話しましょう。専門家の視点でアドバイスをしてくれるので、非常に心強い味方になります。

また「消費者ホットライン」「188」に電話すると、お住いの最寄りのセンターにつなげてもらえますので、こちらも利用してみてください。

警察

消費者センターなどで相談し、いよいよその業者が悪質な業者である、悪徳業者であると判断できるときには、最終手段として警察に連絡することが重要です。「遺品を盗まれた」「契約するまで帰らない」「脅迫まがいな発言をされた」などの場合は、即警察に連絡しましょう。

警察に連絡するときに気を付けたいこと

気を付けてほしいのは、警察はあくまで中立であるということです。つまり、そうした被害を証明する証拠となるものや立証できる物がないと動いてもらえません。この点を考慮して、業者とのやり取りを録音しておくなどして、十分な証拠材料を揃えておくとスムーズに解決します。

【まとめ】遺品整理は業者にやってほしいものだけ依頼すると効率up!

今回は、遺品整理業者がやばいといわれる理由や、実際にあったトラブル事例、良い遺品整理業者の見分け方などを紹介してきました。

遺品整理は人生で何度もあることではないので、葬儀の次にわからないことが多いものです。それだけに遺品整理業者に頼めば、プロだからいろいろ教えてもらえて自分でやるより早く終わるなど、メリットが多いことで需要があります。しかし、業者に頼りっぱなしはあまりいいことではないといえます。

得策としては…
  1. 依頼する前に自分で整理できるもの(思い出の品や貴重品)は取っておく。
  2. 処分していい物だけを残し遺品整理業者にお願いして終了

上記のような流れを決めておけば、窃盗や高額請求などは各段に防げる要素になるでしょう。取っておくべきか判断が難しい物もあるかもしれませんが、その場合はとりあえず取っておいて、時間があるときに品物の価値などを調べて処分方法を決めてもいいと思います。

遺品整理に期限はないので、焦らずじっくり整理していくようにしてみてくださいね。

この記事を書いた人

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