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執筆・監修:終活カウンセラー1級

エンディングノートに書いてはいけないこと・注意点

エンディングノートは自由に書けるノートですが、実は「書かないほうがよいこと」「書いても意味がないこと」がいくつかあります。よかれと思って書いた内容が、防犯上のリスクになったり、かえって家族を悩ませたりすることもあるのです。この記事では、終活カウンセラー1級として相談を受けるなかで実際にあった事例をふまえ、避けるべき内容と安全な書き方を解説します。

【防犯上の理由】書いてはいけないこと

暗証番号・パスワードそのもの

最も多い失敗が、銀行のキャッシュカードの暗証番号やネットバンキングのパスワードをそのまま書いてしまうことです。エンディングノートは金庫に入れて保管するとは限らず、盗難・紛失時にはそのまま資産への「合鍵」になってしまいます。

書くのは「どこの銀行に口座があるか」まで。パスワード類は別の方法(パスワード管理ノートを貸金庫に入れる、信頼できる家族にだけ場所を伝える等)で管理し、ノートには「パスワードの保管場所のヒント」だけを書きましょう。詳しくは書き方完全ガイドでも解説しています。

実印・通帳・権利証の保管場所の「全部盛り」

実印と印鑑登録カード、通帳と届出印など、組み合わさると悪用できる情報を1ページにまとめて書かないことも大切です。書く場合は場所を分ける、ヒントの形にするなどの工夫をしてください。

マイナンバーやクレジットカード番号

手続きに必要なのは「カードの保管場所」であって、番号そのものではありません。番号の書き写しは避けましょう。

【法的な理由】書いても効力がないこと

財産の分け方の指定(相続の指定)

「自宅は長男に、預金は長女に」といった内容をエンディングノートに書いても、法的効力はありません。相続人がその通りに動いてくれる保証はなく、むしろ「ノートにはこう書いてあった」「いや無効だ」と、争いの火種になってしまった例もあります。

財産の分け方を確実に指定したい場合は、法的に有効な遺言書を作成してください。種類と費用は遺言書の種類と費用の記事で解説しています。個別の事情によって適切な方法は異なるため、司法書士・行政書士・弁護士など専門家への相談をおすすめします。

保証人・後見人などの「指名」

「もしものときは○○さんに後見人をお願いしたい」と書いても、それだけでは法的な効力はありません。任意後見契約など、正式な制度・手続きが別途必要です。希望として書くこと自体は構いませんが、「これは希望であって、正式な手続きは別」と理解しておきましょう。

【家族への配慮】書き方に注意が必要なこと

特定の人への悪口・恨みごと

エンディングノートは、いずれ家族が読むものです。人間関係の愚痴や恨みごとが書かれていると、読んだ家族は深く傷つき、その言葉が「最後のメッセージ」として残ってしまいます。書くことで気持ちを整理したい場合は、別の紙に書いて処分するなど、ノート本体とは分けることをおすすめします。

家族が実行できない・負担が大きすぎる希望

「散骨は海外の○○で」「葬儀には△△を必ず呼んで」など、実現のハードルが高い希望をたくさん書くと、家族は「叶えられなかった」という罪悪感を抱えることになります。希望を書くときは、「できれば」「無理のない範囲で」という言葉を添えるだけで、家族の心はずっと軽くなります。

告知していない秘密の「一方的な告白」

家族が知らない事実(隠していた借金、家族関係の秘密など)をノートで初めて告白するケースがあります。伝えるべき重要な事実であれば、ノート任せにせず、元気なうちに直接、または専門家を交えて伝える方法を検討してください。借金などの債務は相続に直結するため、隠したままにするのが最も危険です。

安全に書くための3つのルール

  1. 「ありか」は書く、「開け方」は書かない——口座・保険・契約は一覧にし、暗証番号・パスワードは別管理。
  2. 法的に決めたいことは遺言書へ——ノートは想いと情報、遺言書は決定事項、と役割を分ける。
  3. 読む家族の気持ちを想像して書く——迷ったら「これを読んだ家族がどう感じるか」を基準に。
ご注意:本記事は一般的な情報提供であり、個別の法律・税務アドバイスではありません。相続や後見など法的な判断が関わる内容は、専門家への相談をおすすめします。

まとめ

  • 暗証番号・パスワード・マイナンバーなどは書かない(防犯上のリスク)
  • 財産の分け方の指定は法的効力がなく、争いの火種にもなる——遺言書で
  • 悪口や実現困難な希望は、読む家族の負担になる
  • 「ありかは書く、開け方は書かない」が安全な書き方の基本