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執筆・監修:終活カウンセラー1級

親の運転免許返納、いつ切り出す?「運転終活」講座に学ぶ話し合い方

「そろそろ運転、大丈夫かな」——実家に帰るたびに気になっても、いきなり「免許を返して」とは言い出しにくいものです。2026年7月、長野県のニュースで「運転終活」という取り組みが取り上げられました。いきなりの返納を勧めるのではなく、段階的に運転を減らしていくという考え方です。この記事では、そのニュースの内容を紹介しながら、親の運転免許について家族でどう話し合うとよいかを、終活カウンセラー1級の視点で整理します。

はじめにご注意:本記事は後述の報道内容の紹介と、それをふまえた一般的な話し合い方の提案です。運転免許の返納可否についての医学的判断や法的助言ではありません。個々の状況については、主治医・警察の運転免許担当窓口・運転免許センターにご相談ください。統計や事例は記事内で紹介する長野県の報道に基づくもので、全国一律の状況を示すものではありません。

きっかけになったニュース:長野県の「運転終活」講座

この記事のきっかけは、2026年7月15日にYahoo!ニュースで配信された、NBS長野放送の記事です。

急な免許返納はリスク「認知症になりやすく」『運転終活』高齢者の「納得した返納」へ2つのステップ(NBS長野放送・Yahoo!ニュース)

記事によると、長野県東御市で6月28日、「運転を続ける・やめる」をテーマにした講座が開かれました。講師を務めたのは、上田市の真田自動車学校の宮下拓也さん(38)。参加者の多くは、運転に不安を感じている高齢者本人と、その家族だったといいます。

記事内では、長野県警の調べとして、2025年の高齢運転者による事故が1,392件(全事故の31.1%)、死者数が20人(交通事故死者数のほぼ半数)にのぼることも紹介されています。事故の多さから「早く返納すべき」という話になりがちですが、この講座が伝えていたのは、それとは少し違う考え方でした。

なぜ「いきなりの返納」がリスクとされるのか

記事の見出しにもあるとおり、講座では「急に運転をやめること」自体のリスクも指摘されています。長年運転してきた人が突然車を手放すと、外出の機会や人との交流が減り、心身の活動量が落ちやすくなる——という趣旨です。

つまり、「事故が心配だから今すぐ返納させる」という一方向の説得は、必ずしも本人のためにならない場合がある、ということです。だからこそ、本人が納得したうえで、段階的に移行していくプロセスが大切だと講座では伝えられていました。

「運転終活」2つのステップ

記事で紹介されていた進め方は、大きく次の2つのステップに整理できます。

  1. ステップ1:自分の運転を正しく認識する——「まだ大丈夫」という思い込みではなく、実際の運転技能や反応、最近ヒヤリとした場面を客観的に振り返ります。高齢者講習や運転技能検査の結果も、本人の自己認識を助ける材料になります。
  2. ステップ2:段階的に運転を減らす——いきなりゼロにするのではなく、夜間や高速道路の運転をやめる、雨の日は避ける、遠出はしないなど、条件をつけて少しずつ範囲を狭めていきます。あわせて、バス・タクシー・家族の送迎・宅配サービスなどほかの移動手段を実際に試し、返納後の生活を先にシミュレーションしておくことがすすめられていました。

「今日でやめる」ではなく「返納後の暮らしを試してから決める」という順番にすることで、本人の不安も、家族の心配も、少しずつ折り合いをつけやすくなります。

親に切り出すときの会話例

とはいえ、「運転をどうするか」を面と向かって切り出すのは簡単ではありません。事故や能力を責めるような言い方は、本人の反発を招きやすいためです。次のような聞き方が参考になります。

親への切り出し方全般については、親にエンディングノートを書いてもらうにはの記事で、拒否されたときの対応も含めて詳しく解説しています。運転の話も、根っこにあるのは同じ「本人の意思を尊重しながら、家族の心配も伝える」という姿勢です。

エンディングノートに書いておきたいこと

運転をやめる・減らすと決めたら、その内容を家族の記憶だけに頼らず、エンディングノートにも残しておくと安心です。

移動手段や生活に関する希望を書く欄は、エンディングノートの中でも見落とされがちな項目です。書き方の詳細はエンディングノートの書き方完全ガイドを、書き始める前の全体像は終活チェックリスト完全版をあわせてご覧ください。

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まとめ

  • 長野県の「運転終活」講座では、いきなりの免許返納ではなく段階的な移行がすすめられていた
  • 「事故が心配だから今すぐ返納」の一方向の説得は、外出機会の減少などの別のリスクを生むことがある
  • ①自分の運転を正しく認識する②段階的に運転を減らし、他の移動手段を試す——の2ステップで進める
  • 切り出すときは責めずに、条件つきの提案や「お試し」の形で話しかける
  • 決めたことは家族の記憶任せにせず、エンディングノートに残しておく